住民に対する生活習慣に関する調査

2016年6月22日

2016年2月から3月にかけて実施されたバウレブ地区に引き続き、4月から5月にかけてナフィールド地区において生活習慣に関する調査を行いました。同調査は、フィジーにおいて有効な生活習慣病予防策の改善策や対応策を特定するための基礎情報の収集の一環として実施されています。

まず調査に先駆け、ナフィールド地区から対象者を選出するために、住民リストの作成を行いました。日本で調査を実施する場合、既存の住民基本台帳などを使用し対象者を選出します。一方、フィジーでは、保健省が地域看護師の手で、半年に1回、住民リストの更新を行っていますが、この地域は人口の急増や流出入の激しさから2014年以降は更新されていません。しかし、質の高い調査を実施するためには住民リストの作成は欠かせないため、3名の退職看護師(スーパーバイザー)と十数名の現役看護師が、対象地域の1,363世帯を戸別訪問し、約7,000名の氏名、性別、年齢などの基本情報を収集し住民リストを作成するところから開始しました。

その後、スーパーバイザー、現役看護師達と共に、5月10日から28日の間、ナフィールド地区の6つの区域にて調査を実施しました。931名の住民に調査の参加依頼を行い、その結果、478名の方にご協力いただきました。参加者の中には、調査の事が良く分からずに会場へ来た人達もいましたが、看護師と一対一で行う聞き取り、身体測定、血液検査といった細やかな対応にどの参加者からも満足の声が聞かれ、単に調査の実施だけに留まらず、フィジーの保健医療サービス省も重要視している「質の高い医療サービス」の提供にも繋がりました。

また、今回のナフィールドの調査では、口腔衛生用品で知られるColgate様からもご協力を賜り、調査に参加した住民への景品として800袋の歯みがきセットを寄贈いただきました。

この調査を通じて、今後効果的な生活習慣病対策のプログラムを特定し、プログラム実施を通じてフィジーで増えつつある生活習慣病の予防に繋げていくことが期待されています。

【画像】

住民リスト作成のために世帯訪問する看護師

【画像】

調査協力者(中央)に歯ブラシセットを渡す看護師(左)