2018年5月の活動ダイジェスト

2018年5月31日

ブータンどんな国-人口編

2017年にブータン統計局が国勢調査を行いました。2017年5月30日時点、外国人を含めたブータン総人口は735,553人でした(NSB, 2018)。ブータン総人口は、東京都練馬区(721,722人)より多く、熊本市(740,822人)より少ないと言えます(総務省, 2015)。ブータンの人口密度は約19人/平方キロメートルですので、九州全土に熊本市民が散らばって住んでいるイメージです。全人口の約19%、138,736人が首都のあるティンプー県2,067平方キロメートルに集中しています。ティンプー県の人口密度は67.1人/平方キロメートル、北海道の人口密度(68.6人/平方キロメートル)と同じくらいですので疎ら感があります。しかし、首都ティンプー市は26平方キロメートルと大変狭く、ブータン人と市内を歩いていると、よく親戚や友人と出会い、握手して挨拶を交わしています。

【画像】ブータンの人口比較

振動台基礎の設置

5月8日から、名古屋市立大(NCU)の短期専門家2名と内務文化省文化局(DOC)が、DOC敷地内に建設中の実験施設の施工監理および振動台基礎フレームを設置しました。地震をシミュレーションできる振動台を支える基礎フレームは、水平な状態で地中へ埋め込む必要があります。専門家達とDOCエンジニアが協力してコンマ数ミリ単位の水準測定と調整をしつつ、コンクリートで基礎フレームへ固定しました。

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振動台基礎フレームを設置するNCU専門家とDOCエンジニア

ドローン勉強会

5月7日、防災科学技術研究所(NIED)と経済省地質鉱山局(DGM)は、「防災のためのドローン」勉強会をDGM会議室で開催しました。勉強会には本プロジェクトメンバーである内務文化省防災局(DDM)の他、ファブラボ(ブータン市民向けモノつくり工房)の技術者や土木分野の青年海外協力隊員等、計32名が参加しました。NIED短期専門家がドローンの特徴、ネパール・ゴルカ地震後やフィリピン・マヨン火山の調査にドローンを利用した実例、手作りした実機サンプルを紹介しました。プロジェクト・ダイレクタのDDM局長も勉強会に駆けつけ、ブータンで多発する山火事の初動調査にドローンは応用できる等、強い関心を示し、防災関係者向けドローン実機研修の開催要望がありました。今年度中に、プロジェクトはドローンに関する現地研修をデザインし実施する予定です。

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ドローンの高速回転するプロペラを試運転するNIED短期専門家

地震計メンテナンス

5月13日から、京大(KU)とDGMのチームが、ブータン中部と東部のブムタン県とタシガン県に設置済みの地震計をメンテナスしました。DGMの新人技術者は、机上の図面だけで理解するのではなく、現場にある機器を見て自分の手で操作しながら、論理的な障害切り分け方法や障害復旧手順をKU短期専門家から学びました。

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機器の復旧手順を実演するDGM技術者(手前)