大野専門家、2カ月にわたるブータンでの活動を終えて帰国

2022年6月7日

6月7日(火)、プロジェクトの短期専門家として4月初旬からブータン入りしていた大野勉専門家(日本開発サービス)が、任期を終了して帰国の途につきました。

大野専門家は、教育プログラム開発分野の短期専門家で、プロジェクトの成果1にある、「1-7. ファブラボをECED(電気通信学科)のカリキュラムに組み入れる」活動が主目的でした。隔離後のティンプー滞在中は現在ファブ・アカデミーを受講中であるカウンターパートの教員4人のヒアリングを行い、4月末にプンツォリン入りした後は、科学技術単科大学(CST)の電気通信学科、IT学科、電気工学科、建築学科、土木工学科の教員からもヒアリングを進め、CSTの既存カリキュラムにデジタルファブリケーションを取り込む余地について、教員への働きかけを進めました。

また、特に電気通信学科の教員に対しては、日本をはじめとしたアジアで普及しているマイコンボードESP32や、ESP32を内蔵したIoTデバイスとして現在人気の高い「M5Stack(エムファイブスタック)」を紹介し、これに各種センサーのモジュールを接続し、環境モニタリング用のシステムのプロトタイプが簡単に作れることを示しました。電気通信学科では、教員有志により、この環境モニタリングのシステムを、学内の廃棄物管理や、プンツォリン市のごみ収集車への搭載などに用いることを検討し始めています。

加えて、大野専門家は、週末も利用して、ソニーの開発したIoT学習ツール「MESHブロック」や「M5Stack」を学生に紹介する講習会をのべ7回開催し、37人の学生がこれに参加しました。

ブータンでの最終業務日となった6月6日(月)には、出国前の滞在先であったパロで、JICAが2018年まで行ってきた「農業機械化強化プロジェクト」のカウンターパート機関だった農業機械化センター(AMC)を訪問し、同センターが独学で試作した野生動物撃退装置や温室環境モニタリング自動給水装置を視察し、IoTの専門家として、AMCの研究開発チームに、試作品の性能向上に向けた助言を行いました。

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電気通信学科教員にMESHブロック操作を紹介(写真/山田浩司)

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週末には学生向けにMESHブロックの講習会を開催(写真/山田浩司)

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週末のM5Stack講習会に参加した学生とともに(写真/大野勉)

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電気工学科学生の試作した、太陽の動きに合わせて動く太陽光パネルを視察(写真/大野勉)

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パロ農業機械化センターで野生動物撃退装置を視察(写真/山田浩司)