竹村専門家、到着機材のセットアップで活躍

2022年8月5日

7月8日から8月8日まで、プロジェクトの短期専門家として、竹村真郷専門家がブータン入りしました。入国後の隔離は1日に短縮され、数日首都での用務を済ませたのち、同専門家は14日にプンツォリン入りし、科学技術単科大学(CST)での活動を開始しました。

竹村専門家は、ファブラボ浜松TAKE-SPACEの代表を務め、今回の技術協力業務実施コンサルタントチームの中核を占めるデジタルファブリケーションの専門家です。ブータン入りは今年に入ってすでに二度目であり、前回はファブラボ・マンダラの招へいで、今年1月から開講した米国ファブ・ファンデーションの主催する6カ月のものづくり集中講座「ファブ・アカデミー」のインストラクターとして、3月末まで首都に滞在しました。その後も日本国内からブータン人受講者へのアドバイスを送り続けました。CSTから選抜されて同講座を受講した4人のカウンターパートも、7月末までに全員の卒業が確定しました。

JICA専門家としての今回の派遣では、順次到着した技術協力供与機材のセットアップが活動の中心となりました。大型CNCとレーザー加工機は、別途業者から派遣されるエンジニアの到着を待ってのセットアップとなりますが、竹村専門家はそれ以外の機械を稼働できる状態にまで準備し、また必要な備品や工具をリストアップして、市内で購入するなど、精力的に活動を行いました。

機械がセットアップできても、カウンターパートが操作できる必要があります。ファブラボCSTには竹村専門家の弟子ともいえるファブ・アカデミーの卒業生がおり、直接機械操作の指導を受けましたが、さらに同専門家は、セットアップができた機械から順次、プロジェクトのカウンターパートとして近々技術研修で日本を訪問するCSTの教職員を対象に、機械操作の実演も行い、さらに機械操作のマニュアルの整備にも取り組みました。

竹村専門家の活躍により、ファブラボCSTは開所へと大きく前進しました。プロジェクトでは、8月25日をファブラボCSTの開所予定日と定め、それに向けた準備を進めています。

また、竹村専門家は、ファブ・アカデミーのインストラクターとして、10月12~22日にインドネシア・バリ島で開催される第17回世界ファブラボ会議(FAB17)で、CSTから参加予定のアカデミー卒業生による、サイドイベントの立案と登録にも助言を行いました。CSTから申し込んだ3つのイベントは、いずれも採用されました。

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ファブ・アカデミー修了したカウンターパートとともに(写真/山田浩司)

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チェキ・ドルジ学長に日本での研修の日程と概要を説明(写真/山田浩司)

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供与機材の第一便が無事到着。心配そうに荷下ろし作業を見守る(写真/山田浩司)

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日本での研修に参加予定の教職員に、機械操作の実演日程を説明(写真/山田浩司)

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カッティングマシンの操作を実演(写真/山田浩司)

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3Dプリンターの操作を実演(写真/山田浩司)

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デジタル刺繍ミシンの動作を見守る(写真/山田浩司)

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木材加工セクションの機械の操作について説明(写真/山田浩司)