ファブラボ開所式を前に、第4回プロジェクト合同調整委員会を開催

2022年8月25日

私たちの技術協力プロジェクトで開設支援してきた「ファブラボCST」の開所式を前日に控え、8月24日(水)午後、王立ブータン大学科学技術単科大学(CST)学内会議室において、プロジェクトの第4回合同調整委員会が開催されました。JICAブータン事務所からは、山田智之新所長も出席し、今年1月から8月までのプロジェクトの進捗と、9月から2023年1月までのプロジェクトの活動計画について確認しました。

新型コロナウィルス感染拡大を受けて、これまでオンラインで行われてきた合同調整委員会は、今回より初めて対面式に移行し、JICA側関係者がカウンターパートであるCSTの関係者と顔を合わせて会議を行うことになりました。ただし、JICA側では首都のティンプーや東京のJICA本部、さらに専門家チームの一部も日本からのオンライン参加となったため、会場にはCSTが新たに導入した大型液晶モニターが運び込まれ、Zoomを利用したオンライン会議も併用して行われました。

会議前半では、山田浩司総括専門家がプロジェクトの進捗状況を報告しました。今期の最大の到達点は「ファブラボCST」の開所ですが、機材搬入の遅れにより、第3回合同調整員会当時は6月末と想定されていた開所式は8月下旬にずれ込みました。また、今年7月末ブータンでの開催が予定されていた「第17回世界ファブラボ担当者会議(FAB17)」は、今年年初の首都でのロックダウンを受けてブータン開催が断念され、FAB17は10月にインドネシア・バリ島での開催となり、ブータン開催は2023年の第18回大会(FAB18)へと延期にされました。これらの状況変化を受けて、当初の活動計画は変更を余儀なくされました。

続いてJICA側専門家が行った活動計画では、ファブラボCST開設後の3カ月間は主に学生・教職員向けオリエンテーション、機械実技研修に充て、週末に開催する諸行事の一般利用者への開放はその後に行うこと、大学の冬休み期間中は、プンツォリンや周辺地域、及び国内各地で帰省中の学生を巻き込んでのアウトリーチ活動に重点を置くことが強調され、それに合わせて今後の短期専門家の派遣も予定されていることが説明されました。

あわせて、小暮陽一短期専門家からは、開所式直後の実施となった、カウンターパート10人の日本での技術研修の目的と日程概要についての説明も行われました。

最後に、今期モニタリング期間中のJICAとカウンターパート側の合意事項として、プロジェクトの成果を確認するための数値目標を盛り込んだ合意文書(Records of Discussion、R/D)の修正に関する協議議事録が、JICAとCST、及び国民総幸福量委員会(GNHC)の三者の間で署名され、プロジェクト供与機材の引渡しに関する覚書も、それぞれJICAとCST、及び業務実施コンサルタントとCSTの間で署名が行われました。

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合同調整委員会CST会場の様子(写真/Tshering Palden)

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R/D修正に関する協議議事録への署名(写真/Karma Kelzang Eudon)

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協議議事録署名後の集合写真(写真/Tshering Palden)

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合同調整委員会出席者による集合写真(写真/Tshering Palden)