ナショナルTVETポリシーの策定

2017年10月15日

2017年10月10月、2017年から2025年までのカンボジアの職業訓練およびこれに関する関係分野の政策を政府全体で総合的にとりまとめた、ナショナルTVETポリシーの策定周知のワークショップが、フン・セン首相の主催でプノンペン市内の平和宮殿で開催されました。

このポリシーの策定は、これまで他の経済産業一般政策文書や一省庁(労働職業訓練省)レベルしかなかった職業訓練分野に関する政策文書に加え、あらたに包括的で政府全体にわたる国家の職業訓練政策文書が策定されたという意義があります。

職業訓練分野では、これまで、ポルポト政権後の内戦からの復興や貧困対策への対応といったカンボジアの状況から、緊急対策な職業訓練の実施が主に実施されてきましたが、アセアン統合等カンボジアを巡る国際経済社会情勢等から、今後は、産業の多様化・高付加価値化を担う産業人材の育成も重要になっているとともに、こうした人材育成を政策的に主導する中央省庁である労働職業訓練省の政策立案能力や事業執行能力の向上も一層求められるようになっています。

こうしたことから、かかる同省のキャパシティビルディングを図りつつ、関係政策について政府が一丸となって中長期に腰を据えて進めるためのよりどころとなる国家政策計画やここでの基盤となる政策を生み出すため、アジア開発銀行(ADB)への日本拠出金により、2015年~2017年から、ADBのプロジェクトが開始され、今般、ナショナルTVETポリシーが策定されました。

当プロジェクトは、関係会議でプロジェクト活動を紹介していく等、策定にも協力しましたが、
今後は、当プロジェクトが推進していこうとしている民間部門との連携促進といった事項が同ポリシーでも掲げられていることから、同ポリシーが実効性を持つよう、これに沿った具体的な好事例を発信していきたいと考えています。

(ポリシー概要)
・2017年~2025年の職業訓練および関係分野の総合的な国家政策文書(本文+政策リスト)。
・職業訓練等の人材育成を通じ、将来の国民の所得の向上、国家の発展を目指すもの。
・政策の分野として、以下を提示。
1)標準カリキュラムの策定、指導員の資質向上等を通じた職業訓練校における質の維持・向上、
2)支援措置やプロモーション等を通じた職業訓練へのアクセスの向上、
3)訓練ファンド等、民間部門との連携の構築・促進(PPP:Public Private Partnership)、
4)モニタリング等、これらを進めるための、ガバナンスの確保。

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ナショナルTVETポリシー

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フンセン首相からイットソムヘン労働職業訓練省大臣へのとりまとめ謝意(ワークショップ)

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ワークショップ前のドナー会合でのポリシーの協議(労働職業訓練省)