NPICで最終実技試験の実施

2017年10月19日

2017年10月19日に、当プロジェクトのパイロット対象校であるNPICで、電気科短大相当(ディプロマコース)の2年生の学生(受験者49名)に対する最終実技試験が実施されました。

これまで、対象訓練校では最終試験は基本筆記試験のみで、実技試験は実施していませんでした。しかしながら、企業現場で力を発揮することが求められる学生には、実際に操業用の機械・設備を適正に取り扱う能力が求められるため、訓練校で学んだ知識だけではなく、実習を通してどの程度実技が身に付いたかを確認する必要があります。このため、今年、パイロット的に、NPICにてプロジェクトで開発した訓練機材を使用して、ディプロマコースの基本となる4種類の実技試験(電気工事(配線)、シーケンス制御、PLC及びモータ制御)を実施しました。

実技試験の実施に当たっては、立壁専門家の事前指導の下、数か月前から試験課題の精査や指導員による試験監督の方法の練習等の準備を入念に進めました。受験者は、NPICの電気科ディプロマコースの2年生の学生ですが、試験監督をする関係者として、NPICに加え、他のパイロット対象校のNTTIとPPIの指導員や労働職業訓練省の技術系職員も参加し、試験の時間や進行を管理してもらいました。当日は、学生を4グループに分け、4種類の試験を順番に1日がかりで受験してもらいました。また、試験監督者を、主任監督者と補助監督者に分け、それぞれ、学生の実技に要した時間をストップウォッチで計測し、受験状況・チェックポイントをモニターシートに記入するなど、適正な運営となるよう努力してもらいました。

結果は、4種類の実技試験と、翌日実施した筆記試験をあわせた総合得点の平均点が、100点満点中約83点でした。前例がないため、ただちに結論づけることはできませんが、今回の実施結果を関係者で検証した上で、来年はさらなる改善を行っていきたいと考えています。また、今回は、NPICだけで実施しましたが、次回は、NTTIとPPIでも同様の実技試験が実施できるよう、取り組んでいきたいと考えています。

なお、今回の実技試験実施の重要性にかんがみ、カンボジア日本人商工会(JBAC)所属の日系企業関係者に見学いただき、当プロジェクトによる職業訓練校での技術面での質の強化活動へのご理解を得ることができました。

こうした学生の実技試験は、学生の能力の的確な把握に加え、これを行う指導員の資質向上にも寄与するとともに、企業からの職業訓練校への信頼の一層の確保につながるので、当プロジェクトしては、引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えていきます。

(写真提供;石川正頼氏ほか)

【画像】

学生が実技試験(シーケンス制御試験)を受験している様子(実習場の様子)

【画像】

シーケンス制御実技試験の様子(受験者の様子)

【画像】

指導員による学生の実技(シーケンス制御)評価の様子

【画像】

PLC実技試験の様子

【画像】

モータ制御実技試験の様子

【画像】

電気工事(配線)実技試験の指導員によるチェック

【画像】

日系企業の見学の様子(注:写真は、(電気工事(配線)実技試験))