電気専門家の交代

2017年10月29日

2017年10月9日、当プロジェクトの電気の専門家である立壁専門家の後任となる松本専門家が着任しました。立壁専門家と同じ、岡山にある中国職業能力開発大学校からの赴任です。

松本専門家の着任日はちょうどプロジェクトが全面支援して実施する初めての指導員技術再訓練研修の2週目初日となりました。10月はこの指導員再訓練を2週続けて実施した後、NPICでの学生の最終実技試験、その翌週はバッタンバンでの技術セミナー、その週の終わりにNEA主催のNational Carrier Fairが金曜と土曜にあり、イベントや研修等がずっと切れ目なく続く状態でした。

当プロジェクトは労働職業訓練省と対象訓練校3校がカウンターパート機関となるため、これらのイベントの合間を縫って表敬できるところからしていただき、関係者へのあいさつを行いました。

一方立壁専門家は10月29日(日)の離任にあたり、間際の10月27日(金)まで、バッタンバンでの技術セミナーの指導のため出張し、離任前日の土曜日28日も、ダイヤモンドアイランドで開催していたNational Carrier Fairへも顔を出してくださいました。

当プロジェクトでは、電気分野の実習にかかる訓練機材を現地の代理店を通して、現地で部品等調達可能な形で特注製作しているところにあります。
対象訓練校の実習の様子や現存する機材の様子から、壊れやすい箇所も想定の上、できるだけ現地で交換・調達可能な部品を使い、修理しやすい形も考えつつ、1から訓練機材を設計し、製作可能な業者を探しだして特注製作してもらうことは容易なことではありません。しかしながら、特注製作をすることで、価格は日本に発注する3分の1程度におさえられ、同じ予算であれば、数量を確保することができ、受注にかかる時間も短く抑えられ、また現地での修理や保全等のメンテナンスが可能となり、部品が発注できないから修理ができない、といった問題はなくなります。

このような理由から立壁専門家は赴任直後から注意深く訓練校の実習の様子等を観察し、6種類の訓練機材を富士電機(株)とベトナムに本社のあるHao Phuong社と一緒に共同開発しました。
これらの訓練機材はプロジェクト後半にはパイロット3校だけでなく、地方の対象校にもカリキュラム普及活動の一環として徐々に広げていく予定です。

また、一方ではカリキュラム開発にかかる各対象校でのTechnical Working Group活動や関係の企業を巻き込んでの無料技術セミナーの開催、11月に実施したNational Skill Competitionに際しての企業関係者へのPR企画や訓練校視察ツアー企画等など、立壁専門家には2年間でかなり密度の濃い活動をしていただきました。

訓練校内にプロジェクトのカリキュラム実習を行うための実習所スペースの確保交渉や整備には立壁専門家に先陣を切っていただきつつも、プロジェクト側の満足するようなレベルでの整備にはかなりの時間と労力がかかりましたが、プロジェクトが開始して2年たった今ではようやく3校とも日本に近い基準で実習ができるだけの環境が整いつつあります。

今後立壁専門家には日本からプロジェクトの後方支援をお願いしたいと思います。2年間ありがとうございました。後任の松本専門家には新たな視点でプロジェクトに新しい風を送り込んでくれるものと思います。これからどうぞよろしくお願いいたします。

【画像】

NPIC校長表敬の様子(左手より奥村CA、立壁専門家、松本専門家)

【画像】

NPIC校長より立壁専門家へ感謝状授与

【画像】

松本専門家NTTI表敬時に実習所を視察

【画像】

松本専門家PPI表敬