National TVET Dayに参加

2018年6月16日

2018年6月15日から16日

毎年、労働職業訓練省(MLVT)の労働市場情報部(DLMI)が主催者・事務局となって、高校生などに職業訓練校の存在をアピールし、その進路選択や職業設計に結び付けていくプロモーション活動の一環として、National TVET Dayが大々的に開催されています。

今年から政府より閣僚会議令に基づくイベントとして正式に認定されたこともあり、若者への一層のアピールを目指して、週末を含む2日間にわたって開催され、会場スペースも参加ブースも拡大し、職業訓練校のみならず多くの企業ブースが設置されるなど、昨年よりも一段とにぎやかなイベントになりました。

DLMIによれば、当日のブース出展数は、プロジェクトの対象校を含む全国の職業訓練校26校のほか、製造業系の企業やNGOなどを含め総勢71の訓練校・団体・企業にのぼり、プノンペン市内の17校からきた高校生約1,700名を含む約27,500人の来訪者がありました。

このイベントでは、労働職業訓練省長官(副大臣)の主催者挨拶や会場内ブースへの激励、高校生向けの企業の人材期待像の説明を盛り込んだ講演などが行われたほか、会場内に出展したブースでは、職業訓練校が創意工夫を生かし、学生が製作したソーラーカーやドローン、ロボットコンテストで使われたリモコン操作ができる小さい車などのデモンストレーションが行われ、各校の訓練内容を積極的に広報していました。

来訪者も、訪れたブースで、最近の電子技術を生かした展示物や、農業、観光やビジネスなどの実学分野の展示物に関して、職業訓練校の指導員や生徒等による実演に興味深く見入り、説明に熱心に耳を傾けていました。

当プロジェクトでは、職業訓練校の対外アピールの重要性から、主催者のMLVTと積極的に連携し、電気保全作業検定盤やモーター制御訓練盤など、民間企業と連携して開発した訓練機材をカンボジア人スタッフが紹介するプロジェクトブースを出展しました。

ブース出展に加え、今年新たな試みとして、自動化生産ラインのセンサやモーターを制御するPLCのプログラミング体験レッスンを企画・実施しましたが、参加した学生たちは興味深く取り組んだようで、レッスン後のアンケートも評判が良い結果となりました。

このほか、プロジェクトが企画・仲介し、タイ資本の建設系企業であるSCG(株)よりCSR活動の一環としての資金援助を取り付け、昨年実施のNational Skill Competition入賞者(PPIの学生)による電気配線やレンガ積みの実演を実施しました。入賞者にとっては、本年8月下旬からタイ・バンコクで開催されるASEAN Skill Competitionの予行演習の機会となり、また来訪者にとっては、実演を通して実際どんなことを実習するのかをイメージしやすくなり、実践的な技能を身につけることの大切さを認識する機会になったと考えています。

また、MLVTがイベントの成果をまとめ対外的に広報するためのインタビューに山田チーフアドバイザーが応じ、協力しました。イベント当日のバナーにJICAロゴが盛り込まれたほか、日本大使館やJICA事務所が招待され、閉会式では労働職業訓練大臣から当プロジェクトへ感謝状が授与されるなど、日本の存在感を発揮することができました。

今後、National TVET Dayのようなイベント等の機会を活用した職業訓練校のプロモーションが、カンボジア政府側のイニシアティブによって一層積極的に行われることを期待しながら、JICAプロジェクトとしても積極的に参画していきます。

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会場の様子

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Sophoan長官によるプロジェクトブースの視察

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昨年度国内競技大会の入賞者(PPI学生)による電気工事のデモンストレーション

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昨年度国内競技大会の入賞者(PPI学生)によるレンガ積みのデモンストレーション

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シーケンス制御プログラミング体験教室の様子

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プロジェクトスタッフによる訓練機材の実演

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山田CAのインタビューの様子

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労働職業訓練大臣より感謝状の授与