草の根・人間の安全保障無償資金協力を活用してバッタンバン・リージョナル職業訓練校の施設等を整備

2019年3月13日

カンボジアの職業訓練分野では、技術を身につけて即戦力となる人材育成が重要な政策課題となっています。したがって、職業訓練校において、教育訓練の環境改善は、訓練成果の向上にも寄与するものです。

当プロジェクトでは、カンボジア全土に39ある労働職業訓練省(MLVT)傘下の職業訓練校のうち、プノンペン市内の3校(NPIC/NTTI/PPI)をパイロット校として、電気・ディプロマコースの実践的な訓練に取り組んでいますが、地方リージョナル訓練校の重点対象として国内有数の都市であるバッタンバンの州リージョナル職業訓練校(RPITSB)を地方拠点校としています。

このたび、プロジェクトが仲立ちする形で、RPITSBが申請した施設拡張及び訓練機材整備の案件が正式に承認され、同校において、2019年4月より、草の根・人間の安全保障無償資金協力を活用したこの案件が実施されることとなりました。それに伴い、2019年3月13日、在カンボジア日本国大使館において、署名式典が開催されました。

在カンボジア日本国大使館のプレスリリース(参考2)にありますように、同校では教室及び実習用機材の不足を解消するため、屋上部分に校舎を増築し、4種類の電気科訓練機材を整備することとされています。これにより、学生及び教員約300人に適切な実習環境が整備され、同校の職業訓練能力の強化及び産業界が求める基準を満たす人材の輩出が期待されます。

署名式典において、同校のチャム・トゥーン校長からは、日本へのTVET(職業技術教育・訓練)をはじめとする各種分野の支援への感謝とともに、このたびの時宜にかなった施設整備等は、大きく発展しているカンボジアにおける「四辺形戦略」の達成に向け、職業訓練分野の優秀な人材の育成に極めて重要である、とのスピーチがありました。

冒頭に述べた人材育成の重要性を踏まえ、カンボジアでは各国・機関がそれぞれの特色を発揮して、積極的なTVETの支援を展開しています。当プロジェクトも後半に入り、各種活動の成果が着実に上がってきています。資源が限られている中で、今後とも様々な支援スキームを活用して、効果的な活動を実施していきたいと考えています。

【画像】

大使館での署名式典の様子

【画像】

屋上のこのプレハブの建物が、改築・整備されてきちんとしたワークショップになります。