パイロット職業訓練校3校で実習機材の供与式を開催

2019年4月3日

2019年3月27日、4月2日、4月3日

このたび、3月27日から4月3日にかけて、各パイロット校において、2018年度に開発・製作した機材の供与式を開催しました。
機材は職業訓練校やカンボジア産業界のニーズを踏まえ、今後のカンボジアにおける電気人材の育成に際しての必要性を吟味して開発・製作されます。当プロジェクトでは、開始当初から訓練校が持続的に機材の確保・保守管理をおこなえるようにすることを目指して、可能な限り、カンボジア国内で部品レベルから調達を行い、訓練教材を開発・製作しています。

今回は、製造業の工場で、製造工程の自動化制御を行うにあたり必要となる技術を訓練するための機材類として、空気圧制御やPLC(シーケンス制御機器)、タッチパネルといったものが供与されました。
また、開発訓練機材に加え、これまで松本専門家が現場の指導員の訓練やASEAN競技大会、関わる日系企業の関係者との意見交換等で気づいたことから、カンボジア側の技術的な問題を改善できるようなちょっとした工具類も併せて供与されました。
たとえば、これまで供与した訓練機材で、学生が実習中にねじを締める際に、きつく締めすぎてねじ部分が壊れた、という報告が多数あったため、ねじの締め具合の感覚を覚えてもらうよう、ねじを適切な強さで締まっているかが確認できるトルクレンチという工具を供与しています。
これは日系企業の方々からも、同様の意見があったことから、小さなことですが技術の改善に結び付くことと考えています。このようにプロジェクトでは現場で日々活動しているからこそ気づけることがたくさんあります。

訓練機材や工具類も当地の職業訓練校における定着した訓練活用がカギとなるため、各校において機材が教育訓練に的確に活用され、適切に管理がなされるよう、指導員への導入訓練など普段から
各種のフォローアップを細かく行っています。

供与式で各校の校長からは、「カンボジアでは、特に経済成長のカギとなる電気分野での人材育成が課題である。外国の専門家に代わって自国のテクニシャンが活躍することを期待する」、「知識・技能・熟練の移転(例.実習機材をいかに適切に使えるようになるか)が重要である」といった声が聞かれました。

また、当プロジェクトについて、「労働市場のニーズに合った、実際の工場での活用を念頭に置いた機材による訓練は有益である」、「訓練校のキャパシティビルディングにも取り組んでいることを評価する」、「当プロジェクトを通じて得た経験は、パイロット校以外の職業訓練校とも共有している」といった声のほか、「他のどの支援国のプロジェクトよりも高い価値のあるものと評価している」とのお言葉もいただきました。
当地では引き続き、プロジェクト終了後も見据え、標準訓練パッケージの一環としての、訓練効果の高い機材の開発・製作に取り組んでいきたいと思います。

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NPIC(カンボジア国立技術大学)で校長先生が機材の説明を聞いている様子

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NPICでの供与式の様子

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NTTI(国立技術訓練大学)での供与式の様子

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松本専門家による機材説明(NTTIにて)

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PPI(プレアコソマック技術大学)での供与式の様子

【画像】松本専門家による機材説明(PPIにて)

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空気圧制御訓練盤(供与機材)

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タッチパネル(供与機材)