品質管理研修 in タイ

2019年4月26日

2019年4月22日~26日

2019年4月22日~4月26日の5日間、パイロット職業訓練校の指導員6名が品質管理技術を習得するためにタイ矢崎電線様の工場およびタイDENSO様の研修センターを訪問したため、その詳細をご報告いたします。

製造業において品質管理は、顧客満足や会社の信用に直結する重要な技術です。当該技術は、当PJが実施しているカリキュラム28科目の内の一つであるものの、習熟している指導員がいないため、各校ともに授業の実施実績がありませんでした。

この度、タイ矢崎電線様からは、工場見学および実践的なQC活動報告、タイDENSO様からは、社内教育用に実施している品質管理研修へ特別に参加する機会を得たため、指導員6名(NPIC(カンボジア国立技術大学)・NTTI(国立技術訓練大学)・PPI(プレアコソマック技術大学)の3校から各2名)が、タイを訪れました。

訪タイ初日(22日)、日頃からお世話になっているタイ矢崎電線様のご厚意により、タイ工場の2工場(電線製造工場およびプラント工場)を見学しました。
午前は、PHAPRADAENG工場を見学しました。本工場では、素材の銅線から電線・ケーブルの製造を行っており、製造工程の理解および大規模な自動化設備を知る良い機会となりました。また、本工場ではQC活動の取組み報告があり、不良品ゼロおよび品質を向上させるための活動(試験内容・方法等)が共有されました。
午後は、THAI METAL PROCESSING工場を見学しました。本工場は、海外から輸入した銅を溶かし、素材の銅線を製造するプラント工場であり、銅線の製造工程が理解できました。また、プラント工場は多くの計器(温度・流量等の計測器)があることが特徴であり、午前中に訪問した製造工場とプラント工場との違いが明確に理解できる良い機会となりました。

23日から26日までの4日間は、タイDENSO様のDTAT(DENSO Training Academy Thailand:DENSOタイ研修センター)を訪れ、品質管理研修を受講しました。研修は前半(23日、24日)が初級編、後半(25日、26日)が中級編として実施されました。
初級編の講義では、製品の品質管理の必要性、品質を担保するために使用する統計法・解決法(QC7つ道具)を中心に説明がありました。また、理解を深めるためDENSO様での実例を題材とした課題が用意され、実践的な技術の習得ができました。
また、中級編では、QC7つ道具の中でも複雑な統計手法を用いるControl Chartについて、チャートの作成・分析法等の活用方法について講義がありました。初級編同様にDENSO様での実例を題材とした課題が用意され、実践的な技術の習得ができました。
また、初級編・中級編ともに講義終了時では確認試験が実施され、熱意あるインストラクターのおかげで全員が無事試験にパスし、合格証が付与されました。

カンボジア帰国後は、指導員が各自で自己研鑽をするとともに習得した知識・技術を各校の授業で展開し、品質管理をマスターした良質な人材をカンボジア産業界へ輩出することが期待されています。
また、2019年10月頃には指導員を対象とした講習会(TOT)を実施し、その他の指導員にも共有していく予定です。

このような貴重な機会をいただいたタイ矢崎電線様、タイDENSO様に感謝申し上げます。プロジェクトでは今後とも、カンボジア産業界のニーズに応じた実践的な訓練活動の実施・定着に取り組んでいきます。

【画像】

タイ矢崎電線PHAPRADAENG工場の見学

【画像】

タイ矢崎電線THAI METAL PROCESSING工場の見学

【画像】

講義の風景

【画像】

グループ演習の風景

【画像】

習得度確認のためのQC7ツールのプレゼン

【画像】

確認試験(中級編)