National TVET Dayに参加

2019年6月16日

2019年6月15日、16日

今年も2日間にわたって、技術職業教育訓練(TVET)の重要性を高校生など若者をはじめとする国民へ広くアピールし、その進路選択や職業設計に結びつけていくことを目指す、ナショナルTVETデーが開催されました。ナショナルTVETデーが閣僚会議令によって6月15日と位置づけられてから2回目の開催となる今年のキャッチフレーズは”TVET Can Do”でした。

事務局となる労働職業訓練省(MLVT)の労働市場情報部(DLMI)によると、MLVT傘下の職業訓練校30校、私立やNGOにより運営されている訓練校、公的職業紹介サービスを提供する国家雇用機構(NEA)や教育・青少年・スポーツ省(MOEYS)、さらには製造業、サービス系の企業等を含めて、72の訓練校その他政府機関・団体・企業等がブースを出展し、約3万2千名の来場がありました。

開会式では、日本大使館、JICAカンボジアも来賓として参列し、Sophoan(サォポーン)MLVT長官から、技術革新が進む中で、持続的な経済発展や生涯学習の観点から、個々人がTVETによりスキルを開発し生産性を上げていくことが重要であるとの話がありました。イベント当日のバナーには、今年もJICAロゴが盛り込まれ、当プロジェクトはILO やADBと並んで、本イベントの協力への感謝状を受け取りました。

当プロジェクトでは2017年よりブースを出展していますが、今年も当地で民間企業と連携して開発導入してきた訓練機材(電気保全作業検定盤、モーター制御訓練盤、空気圧制御装置、給排水実習装置など)の展示デモと実習ワークショップを行いました。

他のブースと違って、説明する側が機材を動かすのではなく、来場者に手を動かしてもらい、実際に動くところを体感してもらうことに主眼を置きました。

実習ワークショップは昨年実施したPLC(シーケンス制御機器)のプログラミング体験レッスンに加えて、より現場の実情に近い形での電気配線の実習ワークショップを実施しました。来場者が自ら手を動かして学ぶ機会を提供するブースは少なかったためか、主目的の高校生の他に訓練校に通う学生も積極的にワークショップに参加し、一時的にブース周辺に人だかりができたほどで、追って事務局がイベントを対外的にPRするインタビュー取材も受けました。

当ブースへの来場者は、2日間で約450名、うち実習ワークショップへの参加者は56名でした。

また、カンボジア全土の労働職業訓練省(MLVT)傘下の職業訓練校39校を一覧する冊子が2年ぶりに改訂されることとなり、プロジェクトでは、正確な情報が第一との考えに基づき、内容や表記のチェックを含めて、英語版の作成に全面的に協力しました。当地ではクメール語のみの情報が多い中で、国際機関や他国のドナーを含む関係者にとっても参考となる、職業訓練校のPR資料をまとめることができたと考えています。

その他、会場では対話型ロボットが出迎え、ドローンが飛び交い、電気自動車が来場者を乗せて走るなど、職業訓練校では最新技術の成果を披露し、各ブースでは出展者が多様な展示をおこない、企業経営者や行政関係者を交えた座談会など様々な行事も企画され、高校生を始め来場者の興味を引く趣向を凝らしていました。

職業訓練校のブースでは各校の特色を打ち出してプロモーションがおこなわれていましたが、産業界からのニーズの高い電気専攻の定員が国内最大となっていることを反映して、電気技術の紹介が目立ちました。その中でも、当プロジェクトのパイロット校3校(NPIC/NTTI/PPI)のブースは特に充実しており、3校には今後、カンボジアの人材育成を一層リードしていくことを期待しています。

このイベントは、高校卒業試験(例年8月実施)を前にしたタイミングでの、スキル形成の機運を盛り上げる風物詩として定着してきました。これは労働職業訓練省(MLVT)による改善に向けた継続的な努力の賜物であり、MLVTには産業界との連携強化に向けた協力関係の構築など、一層の積極性の発揮を期待しています。

当プロジェクトでは、カンボジアにおいて持続的にTVETが発展していくよう、今回のような対外的な活動への積極的な貢献を含めて関係者との協力を進めていきたいと思います。

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開会式

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会場の様子

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長官プロジェクトブース来訪

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インタビューの様子

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プロジェクトスタッフによる機材説明

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訓練校指導員による女子学生への説明

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PLCワークショップの様子

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電気工事実習ワークショップの様子