コンピテンシーの基準について産業界や教育訓練の現場との会合を開催

2019年8月29日

カンボジアの職業訓練校では長年、各校独自のカリキュラムに基づき教育訓練が実施されてきました。社会で役に立つ人材を輩出する機関としての職業訓練校への期待は高まっています。さらには、ASEAN域内を含む国際的な人の移動がますます活発となることが見込まれる中で、標準化された訓練パッケージ(Standard Training Package)をカンボジア国内でも整備することが必要とされています。

カンボジアの産業人材育成を目指す当プロジェクトが2015年9月に始まってから、約4年となります。パイロット職業訓練校3校(NPIC、NTTI及びPPI)の電気・ディプロマコース(2年制)では、技術の習得を重視した実践的なカリキュラムに基づく訓練、最終実技試験などの仕組みが標準的に整備され、定着してきています。

標準訓練パッケージの中で、コンピテンシーの基準(コンピテンシー・スタンダード:Competency Standard)は、教育訓練を通じて習得する知識(knowledge)、技能(skill)や態度(attitude)の最低基準を定めるものです。ASEAN共通の枠組みに準拠した、カンボジアの資格枠組み(CQF:Cambodia Qualifications Framework)に基づくフォーマットが定められており、訓練の実態を踏まえ、文書をとりまとめることとしています。

このような文書は、産業界のニーズを踏まえた、教育訓練の現場で活用されるような有益なものである必要があります。このため、8月29日、IAG(Industry Advisory Board)会合を開催し、関係者からのヒアリング、意見交換をおこないました。

会合では、参加者が情報を共有し、上記のCQFフォーマットに精通したコンサルタントによって作成された大枠のたたき台を基に、活発な意見が交わされました。会合には職業訓練校で教鞭を取る指導員も参加し、現行のカリキュラム科目との連動など、今後の調整が必要な課題も浮き彫りとなりました。

プロジェクトでは、2020年秋のプロジェクト終了後を見据え、関係者間の共通認識を形成し、関係者の知恵を結集して、文書をまとめていきたいと考えています。

【画像】参加者の集合写真

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カリキュラム標準部長からの開会挨拶

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会合の様子

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コンサルタントからの説明