厚生労働省のWAPESミッションの訪問

2019年9月11日

2019年9月9日~11日

当プロジェクトでは、プノンペンにあるパイロット職業訓練校3校の電気・ディプロマコースを対象として、実践的な職業訓練を支援しています。各訓練校では、育成した人材の活躍の機会が確保されるよう努力していますが、当プロジェクトでは、パイロット校と産業界の連携強化の一環として、各校の就職支援を促進しています。

ここカンボジアでは、官民の様々な職業紹介機関が求人企業と求職者の橋渡しをしていますが、このうち公共職業サービスの実施機関が、労働職業訓練省傘下のNEA(国家雇用機構)です。

このたび、日本の厚生労働省職業安定局からの出張者がプノンペンを訪れ、NEAのサービスの質の強化等に関するWAPES(世界公共雇用サービス協会、(注1))・日本の共同プロジェクトの調整がおこなわれました。最終日には、当プロジェクトのパイロット職業訓練校2校を視察していただいたほか、JICA関係者との意見交換の機会がありましたので、報告します。

職業紹介において、職業訓練を実施することが適当な求職者には、職業訓練実施機関と連携してのサービスの提供が重要となります。このため、当プロジェクトのパイロット職業訓練校2校(PPI校、NTTI校)において、実際の訓練や、最終実技試験の準備の状況を視察していただき、当地における職業訓練の実情の理解を深めていただきました。

また、出張者と、JICAのNEA配属のシニアボランティア、CJCC(カンボジア日本人材開発センター、(注2))、当プロジェクトとの意見交換もおこなわれました。「人材育成が個人や社会の発展の基礎である」との共通認識のもと、当地における関係機関がそれぞれの強みをいかし、連携することの重要性を改めて認識することができました。

当プロジェクトでは、当地における関係者との連携をさらに深め、必要な支援が円滑に行われるよう、引き続き関与していきたいと思います。

(注1)WAPES(World Association of Public Employment Services)について
1989年に設立された、雇用政策や公共職業安定所(日本ではハローワーク)を所管している行政機関等により構成される国際機関です。約80か国が加盟しており(ILOはオブザーバー参加)、日本は厚生労働省職業安定局が、カンボジアはNEAが加盟しています。
加盟国間の情報交換や経験の共有、多国間・二国間協力の促進や、調査・研究を行っています。

(注2)CJCC(Cambodia-Japan Cooperation Center)について
2004年にJICAの支援を受けて開設された、カンボジア政府の教育施設です。企業経営者、管理者、起業家と幅広い層を対象としたビジネスコースを実施することでカンボジア国内における雇用創出、起業促進を図るとともに、日本・カンボジア間の交流・協力関係を促進していく役割を担っています。

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電気配線の実習盤の説明(PPI校にて)

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PLCプログラミングの講習(NTTI校にて)

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最終実技試験(モーター操作メンテナンス)の準備(NTTI校にて)