第7回National Career and Productivity Fairに参加

2019年11月3日

2019年11月2日、3日

11月2日、3日の2日間、第7回National Career and Productivity Fairがプノンペンのダイアモンドアイランド展示会場で開催されました。

このイベントは、仕事の世界の理解を深め、大学生を中心とする学生、卒業生や在職者の就職を支援すること等を目的として、毎年開催されています。公的職業紹介サービスを提供している国家雇用機構(NEA:National Employment Agency)が主催し、GMAC(カンボジア縫製協会)が共催しています。就職フェアには人材確保を目指す150社を超える企業(求人件数は約2万件)、政府機関(労働職業訓練省、教育・青少年・スポーツ省や観光省)、国際機関(UNDP、ILO、JICAなど)を含む186のブースが出展し、約2万9千名が来場しました。成長のトレンドを反映して、求人企業には、金融、不動産業、情報通信業や人材派遣業が目立ちましたが、日系企業も存在感を見せていました。

当プロジェクトは4年連続のJICAブース出展となり、引き続き、独自開発した訓練機材などを稼働展示しました。今回は加えて、JICAの幅広い教育・産業人材育成分野の活動を周知する機会ととらえ、(1)CJCC(カンボジア日本人材開発センター、注1)、さらには草の根技術協力事業_パートナー型である(2)北九州市立大学(注2)、(3)CIESF(注3)の活動についても、各団体の協力のもと、来場者に活動を紹介できました。労働職業訓練省のイット・ソムヘーン大臣、サォポーン長官も当ブースを来訪され、実践的な活動への評価をいただきました。おかげさまで、当ブースにも、2日間で400名を超える来場者がありました。

また、就職フェアと並行して、「カンボジアの生産性戦略-グローバルな競争力への道筋-」をテーマとするセミナーが開催され、国内のみならずアジア諸国や国際機関から多数の参加がありました。経済のグローバル化が進展する中で、カンボジアの労働集約型産業の優位性は後退しており、他国を参考にしつつも独自の新しい強みと付加価値を産み出すこと、そのためには人びとが生涯を通じたスキルの形成・向上を図り、労働生産性を高めていくことが重要との指摘がなされました。

当プロジェクトでは今後とも関係機関との連携を深め、2020年9月のプロジェクト終了後も見据えて、JICAのTVET関連活動がカンボジア国内で広く周知、活用され、同国のさらなる経済発展につながるよう、努力していきたいと思います。

(注1)CJCCについて
CJCC(カンボジア日本人材開発センター、Cambodia-Japan Cooperation Center)は、2004年にJICAの支援を受けて開設された、王立プノンペン大学の一機関です。企業経営者、管理者、起業家と幅広い層を対象としたビジネスコースを実施することでカンボジア国内における雇用創出、起業促進を図るとともに、日本・カンボジア間の交流・協力関係を促進していく役割を担っています。

今回の就職フェアでは、CJCCの幅広い活動のうち、ジョブフェア(次回は本年12月に開催)や、起業家育成のプログラムが紹介されました。

(注2)北九州市立大学の活動について
北九州市立大学による「プノンペン都の産業人材育成体制の構築事業」は、職業訓練大学(ITI: Industrial Technical Institute)及び工業高校(CPV:Chum Pou Vaon)をモデル校として、「工場で働くための基本-ソフトスキルや管理技術」の授業を行える教員を育成し、教員が在校生、地元製造業の経営幹部や工場管理者に授業を継続して行う仕組みを構築する活動です。

(注3)CIESF(シーセフ)の活動について
CIESF(シーセフ)は非営利で国際的な民間の教育支援団体で、基礎教育の質の向上を主な目的とし、その上で高度人材育成も行い、国の発展を支援しています。

2017年10月よりJICA草の根事業として開始した「地方経済の活性化に必要なIT基礎能力取得と認定のための研修支援事業」は、アジア6か国で実施している、日本の情報処理技術者試験のテキスト(当面はITパスポート)を使用して、郵電省情報通信技術研修所(NIPTICT)と連携して行っているIT人材育成事業です。講師育成段階を経て、2019年から、政府職員向けコースと一般学生、社会人向けコースを設け、これまでに約260人が受講しました。

【画像】

Ith Samheng労働職業訓練大臣のJICAブースご視察の様子

【画像】

Pich Sophoan長官へプロジェクトが開発した訓練機材をご説明

【画像】

長官、副長官、CJCC、プロジェクトメンバーとJICAブース前で

【画像】

ブースの様子

【画像】

ブースの様子

【画像】

ブースの様子