パイロット職業訓練校において電気分野の指導員技術再訓練を実施

2019年11月23日

2019年10月28日~11月6日、11月14日~23日

職業訓練校で教鞭を取る指導員は、日々研さんに努めていますが、指導員が定期的に能力を高める機会を持つことは、技術職業教育訓練(TVET)の質の向上につながる重要な活動です。

2015年2月の労働職業訓練省令に基づき、労働職業訓練省・技術職業教育訓練総局(MLVT/DGTVET)内に発足した質の保証部(DQA:Department of Quality Assurance)は、技術の進展等に対応するようTVETセクターを改善・強化することを目的として、同省傘下職業訓練校の技術指導員の訓練や監督、訓練施設のモニタリング・評価等を行っています。このうち技術指導員の技術再訓練(TOT:Training of Trainers)については、2017-2019年の3か年、計画的に実施されてきています。

2019年のTOTは、10月下旬以降、プノンペンの訓練校や地方拠点校5校(Regional Polytechnic Institute)等から延べ90名の技術指導員がプノンペンに集まり、電気、自動車関連、太陽光発電及びレンガ積みの計9科目について実施されました。

今年の電気分野の科目を「シーケンス制御」と「電気工事」の2本とするという大枠は、DQAによって決められました。2019年夏からDQAの担当と当プロジェクトとで内容の詳細の調整を行った結果、10月28日-11月6日、シーケンス制御(メンテナンス、モーター制御、給排水制御を含む)の再訓練がPPIにて、11月14日-23日、電気工事(品質管理を含む)の再訓練がNPICにてそれぞれ開催され、10名ずつが参加しました。

当プロジェクトのパイロット職業訓練校であるNPIC、NTTI及びPPIの3校は、カンボジアの電気分野のTVETをけん引しています。訓練期間中に急きょ、実施校以外のパイロット校の指導員に品質管理の講義を対応してもらうことになり、3校間の連携も進んでいることをうかがわせました。

受講者の満足度を把握し、改善に向けた課題を整理するためにアンケートを取ったところ、電気分野のどのコースも、役に立ったかどうか、教授法、実践的な訓練、テキスト等の観点を総合したスコアが100ポイント満点中80ポイント以上と高い評価を得ました。それとともに、「このような訓練の機会が継続して提供されるようにしていただきたい」、「訓練機材の一層の整備をお願いしたい」といった、今後の拡充を望む声が多く聞かれました。

TVETの政策に関する新たな5か年計画である「戦略行動計画2019-2023」の柱にも、「TVETの質の強化」が掲げられています。当プロジェクトでは、カウンターパートに今回の結果とともに指導員の要望を伝え、TOTが持続的かつ効果的に実施されるよう支援していきたいと思います。

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合同開講式にて(労働職業訓練省、電気分野の指導員と)

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PPIでの研修の様子(1)

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PPIでの研修の様子(2)

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NPICでの研修の様子(1)

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NPICでの研修の様子(2)