第9回PIG会合を開催

2020年3月11日

JICAカンボジアによる初のTVET(技術職業教育訓練)を支援する長期技術プロジェクトとして、2015年9月に始まった当プロジェクトは、2020年9月下旬まで残すところ約半年となりました。3月11日、最終年度の前のタイミングで、活動の進捗状況や課題をカウンターパートと共有するPIG(Project Implementation Group)の第9回会合を開催しました(注1)。

会合ではまず、最近半年間(2019年10月~2020年3月)を中心としたプロジェクトの活動を報告し、成果を共有しました。課題となっていた標準訓練パッケージの文書化作業については、2019年8月以降3回開催したIAG(Industrial Advisory Group)会合(注2)を踏まえてまとまったドラフト資料の内容が報告されました。今後、労働職業訓練省が責任を持ってNTB(National Training Board)における承認等の作業プロセスを進めるとともに、コンピテンシーに基づいた教育訓練の実施面(implementation)にかかる課題とそれへの対応の検討を進めていくことが確認されました。

また、プロジェクトの残された期間において、1)訓練機材の技術移転、2)産業界等を対象とした訓練校、卒業生に対する満足度調査ワークショップ、3)その他の官民連携(パイロット職業訓練校指導員による企業従業員への有料技術セミナーの開催等)、4)パイロット校における就職促進の支援等の活動を行っていくことについて、出席者の賛同を得ました。

今後のJICAによる協力について、カウンターパート側からは、「これまでの当プロジェクトの活動に感謝する。今後いかにして継続し発展させていくかが課題である」との発言がありました。また、パイロット校指導員等により構成されるTWG(Technical Working Group)からも報告があり、現場からの建設的な要望を把握できました。カンボジアの持続的な成長のため、労働職業訓練省がTVETの質の向上に必要な訓練機材や人材の確保等の検討を主体的に進めていくことについても、共通認識が得られたように思います。

プロジェクトでは、これからの半年間、引き続き計画的に活動を実施しつつ、5年間の成果を取りまとめていく時期に入っていきます。3月下旬に予定されていた第4回JCC(Joint Coordinating Committee)会合(主宰:労働職業訓練省長官)は、新型コロナウィルスの流行の影響を受けて延期となりましたが、できる限り早期に開催したいと考えています。プロジェクトの成果をカウンターパートやドナー等の当地関係者と共有し、適切に引き継ぐことにより、カンボジアにおけるTVETの一層の発展につなげていきたいと思います。

(注1)前回のPIG会合は、下記のニュースをご覧ください。

(注2)これまでのIAG会合は、下記のニュースをご覧ください。

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会議の様子

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傭上したコンサルタントによる、標準カリキュラムパッケージの説明

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議長役のマリカ職業訓練総局副局長

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標準カリキュラム部サック部長はじめ関係者