パイロット職業訓練校指導員とのオンライン会議を開催

2020年7月8日

当プロジェクトは、カンボジア労働職業訓練省と同省傘下のパイロット職業訓練校3校(NPIC/NTTI/PPI)をカウンターパートとしています。3校の電気・ディプロマコース(日本の短大課程に相当)において産業界、訓練校の現場のニーズに即した実践的な訓練活動を展開するため、プロジェクトの開始当初から、電気学科の指導員とのTWG(Technical Working Group)会合を開催しています。

新型コロナウィルス感染症(Covid-19)の発生(注)に伴い、関係者との間では電子メールやSNSを活用してやりとりをおこなってきました。2020年5月以降、パイロット各校はeラーニングの実施・充実などに取り組んでいます。7月初めの時点で、各校は校舎での授業再開には至っていませんが、今秋の学生の卒業、進級や新規受入れに向けた計画も整ってきました。このタイミングで、各校の現状や課題を共有し、その対応とともに、最終実技試験など当面の作業や活動の予定について打ち合わせることを目的として、7月8日、オンラインで一堂に会してのTWG会合を開催しました。

会合に参加した指導員からは、eラーニングの課題として、地方をはじめ居住地によってはインターネットの接続が悪く参加できない学生がいること、学生の意欲をつなぎとめ、理解度を把握することが難しいこと等が示されました。今後は学科に加えて実技のコンテンツを充実させ、魅力を高めていく方向性が確認されました。また、訓練校のニーズを踏まえ、訓練のビデオ撮影用の機材を支援し、訓練の質の向上に取り組むこととなりました。

このほか、シラバスの必要な改訂を3校で分担して取り組むこと、テキストの作成や参考書の購入等の教材支援を進めていくことが決められました。また、プロジェクトの重要な活動である最終実技試験(2019年の実施状況は、同年10月5日付けプロジェクトニュースを参照)については、3校とも本年度も実施する方向で、スケジュールの調整が引き続きおこなわれることとなりました。

カンボジアでは若者を中心にデジタル機器へのリテラシーが高く、今回のような緊急事態においても利用可能な資源を活用して困難を克服していこうという熱意が見受けられます。また、会合にはパイロット校のベテラン・中堅・若手の指導員が机を並べて参加し、自国の技術職業訓練を手を携えてリードしていこうとの意気込みが頼もしく感じられました。

当プロジェクトでは、カウンターパートへの効果的な支援を継続し、技術職業訓練の質の向上を支えていきたいと思います。

(注)カンボジアではCovid-19への警戒が続いています。7月中旬に入ってから中東地域からの帰国者の感染が確認され、7月14日時点の感染確認数は合計165例と公表されています。

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パイロット職業訓練校(NTTI校)で参加した各校の指導員の様子

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パイロット職業訓練校(NTTI校)で参加した各校の指導員の様子

【画像】オンライン会議の様子