パイロット職業訓練校の電気設備の保全点検研修を実施

2020年11月14日

近年、家電製品の高依存化や情報ネットワークの発展によって、建物内の受変電設備への信頼性がますます求められるようになっています。受変電設備は、発電所から送られてくる高い電圧(22キロボルト)を、220ボルトや380ボルトの使用できる電圧に変換するための設備で、建物施設の“心臓部”とも言えるもの。これを停止させないためにも、計画的な保全が非常に重要です。

カンボジアでは、依然として事後保全(故障が起きたら修理・部品交換する活動)が主流であり、予防保全(定期的・計画的に点検・部品交換を行い、突発的な故障リスクを低減する活動)は、あまり実施されていないのが現状です。

そこで、当プロジェクトでは、当地の総合ビルメンテナンス企業であるSOKEN CAMBODIAに対象訓練校のNPIC構内の受変電設備の保全を依頼し、併せて指導員がその作業を見学し、保全方法を目の当たりにして学ぶ機会を企画しました。

2020年11月14日にNPIC校の受変電設備にて保全作業が行われ、パイロット職業訓練校3校(NPIC/NTTI/PPI)の指導員17名が参加しました。メンテナンス作業では、主に清掃(ダスト除去)、適切なトルクよるビスの締め直し、各種装置(MCCB・ELCB・セレクタSW・表示器等)の機能試験、絶縁抵抗測定、接地抵抗測定、温度測定等が実施され、長年保全されていない設備のために、多くの不良が発見され、その場で修理可能なものは修繕方法の講義もありました。

指導員にとって初めて見る作業もあり、技術スタッフから作業の意味、良否判定、作業のコツ等の講義も併せて実施され、指導員にとって実際の作業を学ぶ大変貴重な機会となりました。

このたびの指導員の見学、指導をご快諾いただいたSOKEN CAMBODIA、そしてNPIC校の関係者の皆様に感謝いたします。当プロジェクトでは、今回のような機会により、産業界と職業訓練校の連携を深めるとともに、指導員の能力向上につなげていきたいと考えています。

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作業前の工程説明

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保全作業の見学風景

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接触抵抗測定および絶縁抵抗測定

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適切なトルクによる締め直し作業

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保全作業への質疑応答

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MCCBの修繕作業