コロナ禍の下でNational Career and Productivity Fairがオンライン開催

2020年11月15日

新型コロナウィルス感染症(Covid-19)により、カンボジアでの職業訓練校を含む学校の運営は大きな影響を受けてきました。2020年11月2日から、感染防止策を徹底することを条件に、全土の学校が開校可能となりました。政府ではその後も警戒を続けていますが、経済活動が元どおりとはなっていない中で、卒業生の就職が例年以上に課題となっています。

11月14日及び15日の2日間にわたって、第8回のNational Career and Productivity Fairが開催されました。このイベントはNEA(国家雇用機構)が主催して大学生等の就職を促進する毎年恒例のイベントです。当プロジェクトは昨年まで4年連続でブースを設営し(注1)、本年もJICAの幅広い関連活動とともに参加を予定していました。しかし直前に、感染防止の理由で会場での開催が中止となったため(注2)、求人求職のマッチングを中心としたオンラインでの開催となりました。

特設のウェブサイトには、35の日系企業を含む企業や組織が5,500件を超える求人を公開しました。2日間合計でのアクセス件数は31,269件と昨年の来場者数(約2万9千名)を上回り、求職申込件数は1,856件となりました。

イット・ソムヘーン労働職業訓練大臣は、ウェブサイトで公開されたメッセージにおいて、(1)カンボジア政府が、Covid-19に伴う雇用問題に対処するため、工場や産業の維持、影響を受けた労働者への様々な社会的保護の取組等を講じてきたこと(注3)、(2)このオンラインフェアは、場所等の制約のない積極的なコミュニケーション、労働力需給の調整の機会であり、労働市場の均衡や持続的な発展につながるものであることなどを述べました。

今回のイベントが実施されたのは、コロナ禍の下で工夫して活動を実施しようとの関係者の熱意の賜物です。当プロジェクトでは、産業界と職業訓練校の連携が深まり、就職支援の仕組みが定着していくよう、これからも現地での支援をおこなっていきたいと思います。 

(注1)昨年のフェアの様子は、プロジェクトニュースをご覧ください。

(注2)11月3日にプノンペンを訪問した外国政府関係者の感染が、カンボジア出国後に発覚しました。これを受けて、フン・セン首相をはじめとする関係者が自己隔離に入り、プノンペン及び隣接するカンダール州では学校・職業訓練校の2週間の休校措置が講じられたほか、大人数が参加する活動の中止が相次ぎました。

(注3)カンボジア政府は、Covid-19に伴う職業訓練の取組として、これまで工場での従業員向けソフトスキル訓練等を実施してきました。今回の特設ウェブサイトには、労働職業訓練省傘下のプノンペンの職業訓練校も情報を掲載しました。また、現在、解雇された従業員を対象とする4か月間の訓練を、プノンペン等の12の職業訓練校で無料で実施することが検討されています。電気工事、車やコンピュータの修繕・メンテナンス、コンピュータグラフィックデザインや料理、美容など、多岐にわたるコースが予定されています。

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フェアのバナー

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特設ウェブサイトのトップページ