最終PIG会合を開催

2021年3月12日

2021年3月12日、5年半にわたる活動の締めくくりとして、JCCの下に位置づけられるPIG(Project Implementation Group)会合を開催しました。「2月20日事案」(注)を受け、大人数の会議の開催に厳しい制限が課される中で、労働職業訓練省(MLVT)の本会場とパイロット職業訓練校3校(NPIC/NTTI/PPI)をオンラインでつないで開催しました。

同省技術職業教育訓練総局(DGTVET)のヒンシデ局長(プロジェクト・マネージャー)及びサック標準カリキュラム部長からは、5年半にわたるプロジェクト活動を通しての実践的な活動を高く評価するコメントがありました。

最後の半年間、度重なる休校措置の合間を縫って、職業訓練校指導員の能力強化の取組(研修、スキルテストなど)、パイロット校向けの就職支援ハンドブックの作成、積極的な外部への情報発信などに取り組んできましたが、それらを含むプロジェクト期間全体を通しての活動や、プロジェクトの最終成果、プロジェクト完了報告書(PCR:Project Completion Report)案などについての情報共有を図りました。

また、日本側からは、カウンターパートへの「産業界のニーズに応える実践的な活動の促進」、「持続性と普及」及び「協調、協働とコミュニケーション」の3本柱を提言しました。プロジェクト終了後に向けた課題の整理や方向性の検討などを行い、持続的に発展していくための道筋を共有できたと考えています。

DGTEVTの出席者やパイロット職業訓練校3校からは、プロジェクトの実践的な活動が学生・卒業生、指導員、産業界のステークホルダーにとって有益であったとの高い評価とともに、カリキュラムや最終実技試験、産業界との連携、さらにはTWG(Technical Working Group)の仕組みを継続していきたいといった力強い意向が示されました。これら3校には、カンボジア全土の訓練校のモデルとしての役割を果たしていくことが大いに期待されます。

PIG会合は、2016年4月に1回目の会合を開き、10回目の今回が最終となります。カウンターパートとは、インフォーマルな日常的なコミュニケーションとあわせて、節目節目でフォーマルな機会をもつように心がけてきました。気持ちを緩めることなく、職業訓練校の現場での活動状況の共有を含めて、プロジェクト活動を継続的にモニタリングすることができました。3月27日のプロジェクト活動の最終日まで、カンボジアにおけるTVETの発展のため、ラストスパートをかけていきたいと思います。

(注)カンボジアにおけるCOVID-19をめぐる動きのアップデート

カンボジアでは、2020年に入ってから当初はCOVID-19の新規感染者数は限定されており、2月10日にはワクチンの接種が始まりました。

中国正月(春節)後の2月20日にプノンペンでの市中感染が発覚し(「2月20日事案」)、プノンペン、隣接するカンダール州の職業訓練校は再び休校措置が講じられました(3月12日時点で継続中)。2月20日以降の3週間で国内の累積感染者数はそれまでの約2.5倍に急増し、3月12日時点で1,225名(3月11日には国内初のCOVID-19に起因する死者が公表されました)となっています。

プロジェクトのパイロット職業訓練校3校では、NTTI校での最終実技試験が日程変更を余儀なくされるなど厳しい運営を強いられていますが、各校でオンライン教育を実施するなど、奮闘しています。

【画像】労働職業訓練省の会場には人数を絞って参集

【画像】パイロット職業訓練校3校などはオンラインで参加