教員養成大学開校に向け、現地で管理職研修が行われています

2018年8月3日

2018年1月より、現地では教員養成大学(Teacher Education College:以下「TEC」)の管理職(学長・副学長)9名を対象にTEC運営管理に必要な文書やガイドライン作成支援、およびTEC教員・学生の評価基準の策定支援を行うためのワークショップが開催されています。

第1回ワークショップ(同年1月)では、TEC管理職が、TEC運営管理に必要な公的文書であるTEC運営計画、TEC内部質保証ガイドライン、TEC専門職能力強化枠組みの作成に取組みました。これらの文書は、昨年12月に広島大学で実施した本邦研修において原案が作成され、帰国後は各々で分担して作成を進めていたものですが、さらなる協議の場が必要でした。ワークショップを通して、カンボジア大学認証委員会(ACC)の専門家や教育省高等教育局の局長から大学認証基準に関するアドバイスを頂き、原案の改訂を進めることができました。

同年3月に実施した、第2回ワークショップの目的は、TEC教員及び学生の評価基準アウトラインと評価ツールを開発することでした。本プロジェクトの職能開発マネジメント専門家である広島大学丸山恭司先生から、評価アセスメントの目的、高等教育における世界的な潮流、カンボジアにおける文化的背景を考慮した評価アセスメントの重要性などについて講義を受けました。そのうえで、どのような観点から評価を行うのが望ましいか、基準や指標をどう設定するのかという点について協議し、評価基準と評価指標、評価ツールの素案を作成しました。第3回ワークショップは、TEC課程のモニタリングガイドラインの開発を行うことを目的に、同じく専門家の広島大学佐藤万知先生より、モニタリングの意味や目的について講義を受け、同ガイドラインのアウトラインを作成しました。

同年7月には、ベルギーの援助機関であるVVOBと合同で、第4回ワークショップを開催しました。この回では、教育実習ハンドブックの骨子と教育実習の目的・方法・評価について議論しました。協議の結果、カンボジア教員養成のビジョンは「知識社会における人材育成のための専門的な能力を持った教員を育成する」ことと定め、教育実習における実習校校長と担当教員の役割と義務とを明文化できました。また、教育実習も含めてTEC学生をどう評価していくか、各学年における到達目標の設定についても議論が進みました。教育実習年間スケジュールや実習校数などの具体的な計画は、研修後も引き続きTEC管理職が協議を続け、ハンドブックに明記されることとなります。

【画像】

TEC管理職が教育省教師教育局の協力も得つつ、TEC運営管理文書の作成を進めています。

【画像】

TEC教員・学生の評価基準や指標について、活発な議論を行いました。

【画像】

TEC課程のモニタリングのアウトライン案を作成しています。

【画像】

教育実習ハンドブック開発に向け、教員養成ビジョンや学生の教育達成目標について議論を重ねました。