パイロットサイトでの事業計画支援(クンディナマルカ県)

2022年12月6日

プロジェクトチームは、紛争影響地であるクンディナマルカ県ジャコピ市エル・カスティージョ集落において、今年8月にべースライン調査を実施し(注)、その後正式にパイロット事業サイトの1つとして選定しました。そこで事業立ち上げに際し、11月3日、12月6日の2回にわたる訪問を通じて、協力対象組合の理事会と活動計画策定のため次の4つの活動を実施しました。

【画像】事業計画ワークショップ終了後、組合理事会メンバーと

1)ベースライン調査結果の共有

紛争被害者を含む組合及び組合員自身の現状把握は事業計画を考える上でとても重要です。また、日々の忙しい生活の中に協力してくれた調査対象者への結果の共有も大切と考えます。ここでは、プロジェクトチームの分析結果から導き出された提言、また組合が取り組むべき目標や活動オプションやその手順案も提示しました。

2)DRIP de PAZにおけるパイロット事業の説明

本プロジェクトでは農村開発庁(ADR)の統合的農業・農村開発事業(PIDAR)を平和促進の観点から改善・強化するためのモデルづくりを目指していること、そのための基本的手順、過去のJICA協力事例などを改めて説明しました。モデル化の鍵になるのは、組合自身のイニシアティブの発揮であり、組合自らが事業計画を策定し、組合員や非組合員と共に持続的に発展していくことがとても重要になります。

【画像】

組合理事会メンバーとのBL結果共有とパイロット事業説明の様子

3)組合事業計画ワークショップ(1)

以上の情報や提言などを土台として、ここからは組合理事会の皆さんに手を動かしてもらい、組合の重要課題と関連する活動案についてまとめてもらいました。最後に、特に優先的に取り組むべき点を協議したところ、プロジェクトチームからの提言通り活動グループ(テーマ別分科会、地域相互扶助グループ)の設置が選ばれました。

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組合事業計画ワークショップ(1)の結果(背景は組合のカカオの山でいい匂いがします)

4)組合事業計画ワークショップ(2)

組合のイニシアティブを高めるためにも、パイロット事業計画は組合員自身が文書にまとめる形で進めます。ただ、1度のワークショップだけでは具体化が難しいというのが、当地も含む開発途上国と呼ばれる国々の実情です。そのため、組合事業計画ワークショップ(1)の結果をより具体化するためのワークショップを行いました。その結果、理事会の提案として、設置する7つのテーマ別分科会と6つの地域相互扶助グループがまとまり、次回の組合総会において人選などを行う運びとなりました。また、半年先までの重要な活動内容が明らかにできたため、これらを土台として事業計画まとめられていくことになりました。

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組合事業計画ワークショップ(2)の結果を理事会メンバーと確認する専門家

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地域相互扶助グループのメンバーを検討する理事会メンバー

活動計画策定はパイロット事業の成否を大きく左右する重要な活動であり、このジャコピ市サイトがDRIP de PAZプロジェクトにおける第一弾ですので丁寧にフォローをしています。プロジェクトでは、「平和促進のための農民野外学校」として、ここで成功モデルを実証し、他の紛争影響地の事業サイトにも効果的に普及していくことを目指しています。

本事業では、コロンビアの地方改革、平和構築の実現に向け、これからも活動を進めていきます。

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組合員の農場視察(個々人のカカオ生産量の増加も課題)