施工監理に係るケーススタディの開始

2016年10月19日

本プロジェクトでは、プロジェクト目標である「東ティモールの人材による全国の主要道路の維持管理能力が強化される」を達成するために、3つの活動を実施しています。この3つの活動の大きな柱の1つが「道路施工技術の更なる向上」です。この活動では、カウンターパートの建設マネジメント能力の一層の向上を図るために、道路工事において必要とされる各種調査、設計、施工監理の方法について、ケーススタディを通じて技術支援を行います。
施工監理に係るケーススタディの開始に際し、2016年9月29日に小泉専門家(道路施工監理)と坂中専門家(災害復旧)が実施予定の工事現場を視察しました。工事現場の現状や課題を把握するために、工事を担当している施工業者と意見交換したほか、工事中の作業員にもヒアリングを行いました。
施工監理に係るケーススタディでは、主にカウンターパートの建設部職員を対象に、道路工事における品質管理や工程管理、安全管理の適切な手法について技術移転することを目指します。

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工事現場の視察状況

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施工業者との意見交換

2016年10月から施工監理に係るケーススタディを本格的に開始し、2016年10月6日に安全管理手法を学ぶ実地研修会を開催しました。この研修では、我が国無償資金協力事業である「コモロ川上流新橋建設計画工事」において実施している定期安全パトロールを視察し、日本式の安全管理手法を学びました。

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定期安全パトロールの視察

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工事現場事務所に設置されている安全看板

続く10月13日には、小泉専門家(道路施工監理)が講義形式による安全管理講習会を開催しました。講習会では、小泉専門家が世界各国の道路施工監理現場で経験した事故事例を紹介したほか、日本式の安全管理活動(朝礼、安全パトロール、月例安全大会など)を紹介しました。本講習会に参加したカウンターパート職員からは「日本式の漫画を使った事故事例の紹介が分かりやすかった」「次回の講習会では工事事故を防止する具体策や事故後の応急処置の方法についても学びたい」といった前向きな感想が寄せられたほか、「ケーススタディ工事現場にも“Comic Sign Box”を導入するよう施工業者と協力したい」といった意見が出るなど、道路工事における安全管理の重要性を再認識する良い機会にもなりました。

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安全管理講習会の開催状況

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参加者との質疑応答