設計能力(斜面・法面防災)向上に係る講習会の開催

2016年11月30日

本プロジェクトでは、プロジェクト目標である「東ティモールの人材による全国の主要道路の維持管理能力が強化される」を達成するために、行政事務能力向上、施工管理能力向上および設計能力向上を目標に活動しています。設計能力向上に係る活動として、11月30日にDRBFCの会議室において”Introduction of Slope Protection”と題する講習会を開催しました。
東ティモール国の斜面・法面防災対策の現状は、法面は切りっ放しで無処理、落石・小崩壊に対して法面下部に練石積みの待ち受け擁壁が設置されるのが一般的です。大きな崩壊が発生した場合は、崩落した土砂を排除して道路空間を回復する対症療法が取られています。地形条件等の制約によりこれらの在来工法が適用できないか、在来工法では効果に限界がある場合に、別工法の導入が必要となります。専門家チームは、鉄筋挿入工と法枠工等の組合せによる抑止工を導入すべき工法と考えています。抑止工の設計においては、地形測量(平面図、横断図)と地質調査(ボーリング、サウンディング)に基づく現況把握が前提となりますが、現状では十分に実施されておりません。したがって、測量・調査・設計というセットの必要性の認識と、各項の実施能力の向上が必要です。講習会では、以上の様な状況認識と活動の方向性が提示されました。

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切っ放し無処理の法面

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講習会の開催状況