カウンターパート主催による安全パトロールの実施

2018年7月30日

本プロジェクトでは、道路局職員の工事における安全管理の意識啓発のため、安全管理に対するケーススタディを行っています。

これまで、一般的に東ティモール国での安全管理とは、工事を請負った施工業者が責任を持ち、発注者・工事監理者の関知するものではないと考えられており、道路局職員の安全管理に対する認識は十分とはいえませんでした。そこで、まずは講義等を通じて、安全管理は現場を円滑にマネジメントする上で極めて重要な事項であり、発注者・工事監理者も責任を有するとの認識を促してきました。具体的には、同国で行われている無償資金協力事業である「コモロ川上流新橋建設計画」にて、実際の工事現場で実施されている本邦業者による様々な安全活動の見学等を通して、カウンターパートの安全意識の向上を図ってきました。

今回、安全管理活動の一環として、2018年6月28日に道路施工監理専門家の指導のもと、カウンターパート主催の安全パトロールを実施しました。

道路局局長より担当部局宛に安全管理活動実施の指示があり、施工業者や道路維持管理局や他部署のメンバーを含めた現場安全協議会が組織され、「安全管理活動(安全パトロール)チェックリスト」を活用した初めての安全パトロールです。

安全パトロールには施工業者の担当者も参加し、各現場の問題点が指摘されるなど、改善策が協議されました。例えば、歩道工事現場においては、現場出入り口の標示看板の設置がなく危険であることが指摘されました。石積擁壁工事現場においては、現場内の土埃がひどく、作業員の作業環境として好ましくない点が指摘され、場内散水励行・マスク着用などの対策が提案される等、活発な協議が行われました。今後は本チェックリストを用いて「安全パトロール記録」をまとめ、次回以降の活動に活用していく予定です。

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歩道工事現場における安全パトロール実施状況

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石積擁壁工事現場における安全パトロール実施状況