【第16号】チャクブ組合が顧客の需要に応えて赤米と黒米を販売しています。

2017年10月3日

チャクブ組合は現在顧客の需要に応えて赤米と黒米を販売しています。

ここ東ティモールの首都ディリでは、健康志向の人々の増加に伴って、白米と比べて炭水化物が少なく高血糖や心臓病に効果があると言われている赤米や黒米を食べ始める人が増えています。また、東ティモールの多くの人々は、赤米や黒米は肥満解消にも効果があると信じています。本プロジェクトでは、日本食品分析センターに東ティモール産米及び輸入米のサンプルに関する成分分析を依頼したところ、東ティモールで栽培される赤米や黒米は、他の国産米(白米)や輸入米(白米)と比較してカルシウムやカリウム、マグネシウム、ビタミンB1及びB2含有量が高いという分析結果を得ました。

チャクブ組合は上述したような現在のコメの消費傾向を市場拡大の機会と捉えて、農業水産省内における国産米のテスト販売において赤米と黒米の販売を開始しました。

その一方で、これまでテスト販売において赤米と黒米の売れ行きが白米よりも好調であっても、マリアナにおいては赤米と黒米の生産農家数は多くありませんでした。しかしながら、テスト販売におけるその好調な売れ行きによって、多くの農家が赤米と黒米の生産を考え始めました。またチャクブ組合は、近い将来赤米と黒米の販売を農業水産省内だけでなく他の場所においても開始することを計画しているところです。

チャクブ組合のディアマンティノ組合長は、「農家から籾をキロあたり60セントで購入しているため、赤米と黒米は白米と比べて若干高い価格で販売しています。しかしながら今後より多くの農家が赤米と黒米を生産することにより価格も徐々に下がることを期待しています。」と説明しています。さらに同組合長は、「チャクブ組合が販売する赤米と黒米は、農業水産省とプロジェクトによる技術支援のもと、農家からの籾の購入から加工及び製造に至る全過程において必要な手順を踏んでいるため高品質であることは保証します。」と熱心に語っています。

一方、チャクブ組合を支援する側の農業水産省農業通商局長のフェルナンド氏は、「国産米の需要は増加してきており、今後チャクブ組合にはディリ市内の小売店やスーパーマーケットにおいても国産米を販売してもらいたい。そうすることにより、チャクブ組合はさらに収入を増やして、徐々に独立して活動を行えるようになるだろう。」と説明しています。

さらにフェルナンド氏は、「チャクブ組合が継続してコメの高品質を維持できれば顧客からの信用を得ることができるだろう。今後もチャクブ組合による国産米の販売を支援していきたい。」と語っています。

また廣中進司プロジェクト専門家(農産物流通・販売)は、「チャクブ組合が赤米と黒米に係る顧客のニーズをとらえてテスト販売を開始したことは素晴らしい。同組合による他の中央省庁やディリ市内のスーパーマーケットにおける国産米の販売計画についても、今後プロジェクトとしてしっかり支援したい。」とのこと。

他方、廣中専門家は、「チャクブ組合が生産コストを最小化して不必要な支出を避けられるように技術支援していく必要があり、コメの販売や流通のタイミング等についても販売を拡大するうえで重要になる」と今後の課題を述べてくれました。

プロジェクトと農業水産省は今後も継続してチャクブ組合を支援して、同組合が近い将来多くの農家が参加して、オーナーシップをもって自ら組合運営を行えるようになることを目指していく予定です。

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チャクブ組合のディアマンティノ組合長。

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農業水産省農業通商局長のフェルナンド氏。

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廣中進司プロジェクト専門家(農産物流通・販売)。

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農業水産省内における現在のチャクブ組合の国産米テスト販売の様子。

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チャクブ組合が販売する黒米。

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チャクブ組合が販売する赤米。