【第32号】ディリ市内の学校給食における国産米の使用が遂に決定!!

2018年4月3日

東ティモールでは、子供達が学業に集中して取り組めるように栄養価の高い食べ物を提供することを目的として、学校給食が2008年に導入されました。

学校給食において、過去に国産米が使用されたことがありましたが、十分な量を確保することが困難だったため、ここ数年は輸入米が使用されています。その一方で、同国政府のコメの配給機関である国家流通局センターは、食糧安全保障の観点からこれまで農家からコメを買い取った後、長期間備蓄倉庫に保管していました。

このような状況を改善するために、プロジェクトと国家流通局センターは、サンプル分析結果で栄養価が高いことが判明した国産米を子供達に食べてもらうため、学校給食において国産米を供給することを決めました。

国家流通局センター長のジャシント・パイゾ氏は、「輸入米の量を減らす前にするべきことは、人々が国産品を購入して愛着をもてるような環境を整備することで、学校給食における国産米の使用は、人々に国産米を振興するための活動の一部です。またコメの輸入を制限する前に、国産米が人々のニーズを満たすことが必要で、それを達成するためには国家流通局センターを含めた全ての関係機関が効果的に協力しなければなりません。すなわち、農業水産省は生産性を高めるための戦略を策定し、農家は生産性を高める意欲を持ち、国家流通局センターは国産米の配布と販売に係る効果的な市場メカニズムを構築しなければなりません。」と語りました。

学校給食に携わっている教育省の社会的学校活動局長のベルキオール・バロス・ゲラ氏及び教育省副大臣アドバイザーのゾエル・マリア・ペレイラ氏は、「教育省は子供達に栄養価の高い食べ物を提供することによって学校給食の改善を試みており、今回国家流通局センターとプロジェクトが学校給食に国産米を供給することを決定したことに感謝します。」と述べました。また両氏は国産米が全国の学校給食で持続的に使用されることを切望し、国家流通局センターに国産米の確保及び安全な保管と供給を依頼しました。

国家流通局センターはプロジェクトと協力して、本年7月よりパイロット事業として、ディリ市内の79の小学校に対し207トンの国産米を学校給食のために配布する予定です。

【画像】

国家流通局センター長のジャシント・パイゾ氏。

【画像】

教育省社会的学校活動局長のベルキオール・バロス・ゲラ氏。

【画像】

教育省副大臣アドバイザーのゾエル・マリア・ペレイラ氏。

【画像】

プロジェクトと国家流通局センター、教育省及び国連世界食糧計画代表との会議の様子。

【画像】

ディリ市内の小学校で学校給食を順番に受け取る子供達。

【画像】

同小学校の学校給食時の子供達。