【第46号】プロジェクトサイトの農家が稲作を開始

2019年1月29日

2019年1月下旬時点で、プロジェクトサイトであるマリアナI灌漑地区で218軒(全農家の20%)、ブルト灌漑地区で148軒(全農家の32%)の農家が、農業水産省(MAF)とプロジェクトが推奨している栽培暦の正常化(雨期早期に稲作を開始すること)に従い、稲作を開始しました。これらの農家はコメの出荷を目指すと共に、次の二期作を始めとした圃場活用を考えています。これはある種の行動変容です。農家はこれまで、重い経費負担の一方で、コメの出荷で現金収入を得ることは難しいと考えがちでした。したがって、農家の生産意欲は低く、自家消費用生産に留まっていました。しかし、雨期早期から始めることで収穫が早まり、米購入業者の買取り需要期に出荷できること、まだ十分な灌漑水量で二期作や二毛作による増産につながることを、これらの農家は期待しています。

栽培暦の正常化に従う農家数は、昨年と比較して増加しています。これは、MAFとプロジェクトの活動を通じて、上記の栽培暦の正常化の利点が農家に理解されただけでなく、プロジェクトサイトの郡長や村長といった地元リーダー自らが雨期早期に稲作を開始し、彼らのリーダーシップを周辺農家に示したことも大きな要因です。

マリアナIのラホマエ村長で農家でもあるチリリオマオロペスさんは、こう話します。以前は他の農家と同様に、稲作期間中に十分な量の水が得られるか心配であったが、2018年10月に実施された栽培暦の正常化に関するワークショップでその利点を理解し、今年は雨期早期に田植えを行ったところ、十分な水を得られています。また、周辺農家との協調により雨期早期に稲作を始め、早期に収穫されるコメを販売すると共に、二毛作も行えることを期待しています。

マリアナIとブルトの両プロジェクトサイトの地元リーダーは、まだ栽培暦の正常化に従っていない農家に対して、栽培暦の利点や重要性を引き続き呼び掛けていく予定です。

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2018年12月の田植え式時に田植えしたイネ(マリアナI)

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2018年12月の田植え式時に田植えしたイネ(ラレイア、ブルト)

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田植えの様子(ブルト)

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田植えの様子(マリアナI)