平松専門家によるWeekly Seminarの開催

2015年3月2日

E-JUSTでは2014年9月より、毎週月曜日にスピーカーを招き、学内の教職員、学生を対象としたWeekly Seminarを実施しています。2015年3月2日には、プロジェクトの平松専門家(創造理工学類・学類長アドバイザー)がスピーカーとなり、「Rising Sun’s Engineering Education - The First School of Engineering in Japan -」と題した講演を行いました。
講演では、19世紀後半西洋列強に追いつくべく殖産興業を推進する日本でどのように工学教育が導入されたのか、工学教育が当時の社会で早期に受入れられ自律的発展に繋がった要因はなんであったのかなどについて紹介されました。当時の日本は西洋から工学教育を取り入れるにあたり、日本初の工学高等教育機関として設置された工部大学校にスコットランド出身者等の多くの御雇外国人を教員として招きました。当時外国人教員から吸収したことは現在の日本の工学教育にも強く影響しているとうことですが、スコットランドの価値観や行動様式が日本の武士道精神とうまく融合された結果であり、それが日本の工学教育の発展に繋がったということです。
講演の後、E-JUSTのエルゴハリ学長は「E-JUSTにおいては、日本型をそのまま模倣するのではなく、エジプトのコンテクストに合うように導入する必要がある」とコメントしました。E-JUSTはエジプトのみならず、アラブやアフリカにおける工学教育をリードする大学になることが期待されています。今回の平松専門家の講演は、エジプトにおいて日本型の工学教育を導入しているE-JUSTの今後の発展に向けて大きなヒントになったのではないでしょうか。

「工業化は単に技術の伝達だけではなしえず、技術を受容する側の諸条件が整う必要があります。おそらくもっとも大きい要因は、社会的・経済的要因(費用負担、生産物の販売など)と思いますが、私はそれに加えて、日本が比較的短期間に工業化を成し遂げた背景には、西洋諸国に頼らないで近代化・工業化を進めたいという国民的熱意があったからで、工部大学校においてその典型をみることができる、と考えています。学生諸君に聞いてもらいたくて、紹介しました。」(平松専門家(創造理工学類・学類長アドバイザー))

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