ボルグ・エル・アラブ市内の高校での科学実験教室、排水処理施設の見学

2015年12月6日

本プロジェクトのエネルギー化学・環境工学類長アドバイザーである市村先生が12月6日(日)に、ボルグ・エル・アラブ市にあるDr. Hassan Abbas Helmy Secondary Schoolを訪問し、高校1年生(男子8名、女子18名)を対象とした科学実験教室の開催を支援しました。同校は、E-JUSTが共同研究を実施している製薬会社PHARCO社の会長で、E-JUSTの理事会メンバーでもあるヘルミー氏の寄付により設立された高校です。同校での科学実験教室の実施は今年4月以来です。
テーマは水環境に関係したWater Treatment(水処理)で、教室での実験と排水処理施設の見学の2つの活動で構成されました。実験は、日本から持参したカロリン(粘土の一種)の少量を1.5リットルの水道水に溶かした模擬排水を準備して、それに凝集剤を加える前後で、50cmの深さがある透過度計を使って、水の透明さを測定しました。実験の原理などは井口晃徳(新潟薬科大学教授)や久保田健吾博士(東北大助教)、押木守博士がパワーポイントの図を用いて説明し、処理施設の原理についてはE-JUSTのタフィーク教授がアラビア語で説明しました。今回の科学実験教室は、エジプトにおける水環境、特に農業用水不足の問題点を指摘し、排水処理を通じて、水汚染予防の大切さを考えてもらうことが目的でした。
実験後には、今年の1月初旬にボルグ・エル・アラブ市に設置された排水処理施設(一般家庭の排水を農業用水として再利用する施設:処理量200トン/日)を見学し、処理前と処理後の水質検査を簡単なパッチテストで行ない、農業用水への使用を可能とする排水処理施設の重要性についても学ぶ良い機会になりました。
今回のような地域の高校と連携して実施する科学実験教室を、将来E-JUST教員や職員が主体となって実施してもらうことを念頭に入れていることから、今回はエネルギー資源工学専攻のタフィーク教授がアラビア語で説明し、E-JUST職員のイマーンさんには事前準備してもらい、JICAプロジェクトスタッフであるダイアナさんにも一緒に参加してもらいました。お陰さまで実験教室は無事に成功裏に終えることができました。
生徒たちは今回の科学実験に真剣に取り組み、排水処理施設の見学では活発な質疑応答があちらこちらで行なわれていました。

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透過度計を使って実験する生徒たち

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廃液処理施設を訪問して