名古屋商科大学による"ケーススタディメソッド"研修

2022年11月3日

国際ビジネス人文学部(FIBH)では2022年10月30日から11月3日にかけて名古屋商科大学のリカルド・リム教授を招き、教員とティーチングアシスタント(TA)として教務を補佐している大学院生を対象にした"ケーススタディメソッド(Case Study Method(ケーススタディメソッド)"研修を実施しました。

今回の研修はFIBHのファカルティディベロップメント(Faculty Development=FD)プログラムとして実施されました。FDは、大学教員の授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取り組みや大学の理念を実現するための大学教員の資質改善・開発等を意味します。

ケーススタディメソッドはハーバード・ビジネススクールで始まり、世界中のビジネススクールに普及している教育/学習手法で、現実社会で起きた企業の成功例/失敗例(ケース)を教材にし、最適な解決方法を考える、いわば事例研究に近い、問題解決訓練方法です。学生は実際に企業や経営者が直面した具体例を疑似体験することで、理論学習では得られない、現実的な問題解決能力を養うことができます。
FIBHは実践的で対話型の教育を取り入れようとしており、ケーススタディメソッドの導入と実践について、日本でケーススタディメソッドを積極的に実施している名古屋商科大学の協力を得て、今回のFD研修を実現しました。

研修では、広くケーススタディメソッドの有用性と意義の説明から、ケースを使った授業の進め方、ケースの作成方法についての講義がなされました。学生が座学だけでは習得が難しい分析力や洞察力、論理的思考力、戦略構築力を身に着けることができるといったケーススタディメソッドの利点を、FIBH教員は肯定的に受け止めました。FIBH教員からは、ケースを扱う授業の学修目標の設定や、ケースの授業における個々の学生の評価、良いケースの作成等、将来的にケーススタディメソッドを導入することを想定した上での質問や意見が多く出ました。連日リム教授と教員たちが活発に意見交換をし、充実した研修となりました。今回のFDプログラムにはFIBHの全教員が参加し、参加者には名古屋商科大学より修了証が授与されます。

このように、本プロジェクトでは、E-JUSTのFIBHが自立的にユニークかつ質の高い教育を提供することを目指して、日本の大学の協力を得ながら活動に取り組んでいます。

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FIBHの現況をリム先生に共有し、効果的なFD研修に向けて事前打ち合わせを行うアデルライアン学部長とFIBH教員たち

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現実的に将来のケーススタディメソッドの導入を見据えてリム先生と質疑応答をするFIBHの教員たち

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E-JUSTメインキャンパス学長室にてアムルアドリ学長を表敬訪問するリム教授

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ケースを用いたデモ授業で、自分の仮説を積極的に発表するTAの大学院生

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高速道路のサービスエリアの経営に関するケースを用いた模擬授業にて、互いに考えを述べ合って最適解を探る学生たち

【画像】リム先生とアデルライアン学部長以下、毎日授業後にFD研修に参加したFIBHメンバー