全国校長研修「授業時数確保、学習時間の確保の肝は校長」

2018年12月20日

先日の広域セミナーでも各国から問題提起された授業数及び学習時間確保問題。この問題に取り組むべく第一歩として、エルサルバドルでは2019年の教材全国配布の前のこのタイミングに全国5,000校強の学校長に対して研修活動を行いました。内容はプロジェクトの学びの改善戦略とそれに係る活動、教材配布のロジ情報や構成の確認、授業時間確保のための方策についてです。

メインは当然授業時間数確保。授業数が法定の200時間に到達しない原因は基本的に授業が頻繁につぶれてしまうこと。授業がつぶれる要因は教員の病欠のみならず、無計画な研修、乱発する学校行事、終わらない毎週月曜日の朝会、カリキュラム外の内容がすべて学校教育に押し付けられる交通整理不足など様々で、一筋縄とは行きません。今回は校長及び学校運営の工夫で何とかできる実現可能な学習時間増加方法について意見交換しました。エルサルバドルでは教員の勤務時間は7時から12時。この時間をいかに最大化できるかが論点となりました。合計300分のうち、授業時間は45分×5時間の225分、休み時間は最大40分までと定められています。そうすると35分間の隙間時間が生まれてきます。これを朝自習、休み時間後の計算タイム、5時間目終了後の復習タイムなどに割り当てるというアイデアが生まれてきました。特に朝自習には前向きな反応を示す教員が多く、今後どのくらいの学校が実践するか楽しみです。

中米では学校全体で教育活動を行うというよりも、教員個人がそれぞれ教育活動を行うことが多いです。しかしながら、学習時間の最大化には教員それぞれが授業時間を守ること、休み時間を守るよう指導することなど規律の形成について、学校全体のコンセンサスをもって協働して行うことが不可欠です。一朝一夕では解決とはいきませんが、今後グッドプラクティスが出てくるよう、校長にはアタックを続ける必要がありそうです。

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12月にもかかわらず9割の校長が参加した。

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カバーニャス県での校長研修県内240名あまりの校長を集め6教室に分かれて実施。