エルサルバドルでは、風水害、火山噴火、地震などの自然災害が頻発し、多くの人的被害が発生している。同国保健省は災害医療体制の構築に取り組む一方、適切な医療を行うための基盤となる平時からの救急医療体制が不十分であり、その整備が必要であると認識している。その背景に、エルサルバドルでは平時の救急医療に関する政府の体制が未整備のまま、病院前診療を災害時の知見を有する非営利団体(以下、「NPO」)に依存してきたという経緯がある。このためNPO等の関係機関も体系的に携わる平時の救急医療体制を構築することによって、将来的な災害医療の改善に寄与すると考えられる。
エルサルバドル政府は「国家保健政策(20…