村落保健センター実態調査が実施されました

2016年8月31日

2016年7月〜8月

プロジェクトのベースライン調査の一環で、「村落保健センター(VHC)実態調査」が実施されました。対象は、本プロジェクトの重点対象VHC14か所です。保健省のカウンターパート2名がリーダーとなり、2チームを編成し、日本人専門家、プロジェクトスタッフが参加して実施されました。以下は、その主な結果です。

  • 重点対象VHC(14か所)のすべてに看護職員が配置されており、定期的に医師が巡回してサービスを提供している。
  • VHC看護職員の研修機会は非常に限られている。
  • 14のVHCのうち、家族計画サービス(ピル、コンドーム)を提供しているのは2か所のみ、産前産後健診、乳幼児ケアを提供しているVHCはない。
  • シリア人の利用は少ない。
  • 保健統計システムは、医師向けのサービスと予防接種についてのみ整備されている。
  • RH/家族計画サービスに関する標準化されたスーパービジョンは実施されていない。
  • ヘルスプロモーションに関連する活動を実施しているのは4VHCに留まる。その内、1か所でヘルシービレッジプログラムを実施中、また2か所で他援助団体の支援を受けた活動を実施中である。

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村落保健センター調査(Kufur Kyfia, Irbid)

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村落保健センター調査(Al-Dagmasah, Mafraq)

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村落保健センター調査(Al-Aqeb, Mafraq)
家族計画サービスを提供しているVHC。

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村落保健センター調査(Al-Aqeb, Mafraq)
避妊具の管理に問題。

またVHCの施設面に関しては、以下のような状況でした。

  • 建物は、12か所全部が賃貸で、内5か所は共同住宅/住宅との合築である。
  • 部屋はたくさんあるが、クーラーのある部屋(多くのVHCで薬局、図では★部分)においてほとんどのサービスが提供されている様子である。
  • Examination RoomまたはDoctor’s Roomは確保されているが、机と椅子、診察台が置かれているだけで、診療・治療をしている様子は見られない。
  • 待合室は比較的大きめのものが用意されている場合が多いが、あまり活用されている様子は見られない。
  • トイレは全部のVHCに設けられており、水洗用の水も確保されている。
  • 水道、電気の供給には問題がない。
  • 多くのVHCは幹線道路から奥に入ったところに位置し、場所が分かりにくい。

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Mandah VHC (Irbid)

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Al-Aqeb,Mafraq VHC(Mafraq)

これらの調査結果は、今後プロジェクト活動計画に生かされることとなっています。なお、本調査結果は、報告書(英語・アラビア語)にまとめられました。