ヘルスプロモーション活動が実施されました

2017年5月10日

本プロジェクトではヘルスプロモーションの概念を取り入れた村落部へのアプローチが導入されています。住民自らが健康を管理し維持増進することができるような環境整備を目指します。具体的には、地域保健委員会 Community Health Committee(CHC)を構築し、公的保健施設である村落保健センター(VHC)と一緒になって、地域住民が主体となった健康推進のための地域活動を展開してことを支援していきます。これらの活動は、保健省でヘルスプロモーション活動を展開している啓発・保健教育局と協働して実施していきます。

2年次の活動開始にあたり、14の重点対象村落保健センターのあるコミュニティにおいて地域保健委員会が設立されました。委員会のメンバーは村落保健センターの看護師、助産師、小学校の校長やチャリティ団体の役員など、地域の代表となる人々を中心に結成されました。また各県や郡の保健局に配置されている健康推進員(ヘルスプロモーター)とも連携し、彼らの知見・経験・ネットワークをフルに活用していきます。

まず、各県でこれら関係者を集めたワークッショプを開催しました。ここでは地域保健委員会が中心となって、各コミュニティの健康課題をフィッシュボーン分析という手法を用いて分析し、その解決方法を議論し、今後の地域保健活動のアクションプランを作成しました。

その後コミュニティごとに、地域保健委員会と村落保健センターの看護師・助産師が主導して、ヘルスプロモーション活動のためのオープニングセレモニーが開催されました。セレモニーでは、プロジェクトの紹介に始まり、ヘルスプロモーションの活動の意義や各人の役割などが説明され、コミュニティの人々の積極的な参画を求めていきます。各村から50〜120名の村の代表や村人が集まりました。各村のイベントはそれぞれに特徴が見られました。例えば、イルビッド県のAbu Habeel村では小学校の子供達による家族計画サービスの重要性に関する演劇が行われ、Al- Khribeh村では手作りのマジパンによる食事メニューのサンプルを使った栄養教育の劇が行われました。他方マフラック県のAl Aqeb村ではこれまでこのような保健イベントが開催されたことがなかったため、村の重鎮が県保健局や保健省に対して要望を読み上げるような場となりました。いずれの村でも、村落保健センターと地域住民が連携して保健活動を進めていくというコンセプトに大きな期待が寄せられていることが感じられました。オープニングのセレモニーが終わって、これから本格的に各地域でアクションプランに基づき自主的活動が展開されることが期待されています。

保健省女性子供健康部にとって、地域活動は初めての取り組みとなりますが、地域保健ワークショップや保健省内の先行事例、他ドナーとのパートナーシップを通して、地域住民による地域住民のための地域保健活動がさらに活発になることが期待されます。

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ワークショップ:カウンターパートによる説明(Irbid)

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ワークショップ:フィッシュボーン分析のグループワーク(Mafraq)

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小学校と連携したセレモニー(Maysara and Fanoush, Balqa)

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野外にテントを設営、村の男性有力者が中心のセレモニー(Al Aqeb, Mafraq)

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子供たちによる家族計画に関する演劇(Abu Habeel, Irbid)

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手作りのマジパンによる栄養教材(Al Khribeh, Irbid)