運営指導調査が実施されました

2017年8月10日

2017年8月5日〜10日

プロジェクト期間の中間点を迎え、JICA本部は運営指導調査団を派遣しました。調査団は、長年ヨルダンのリプロダクティブヘルス分野の技術協力プロジェクトをけん引してきた佐藤都喜子客員専門員を団長として構成されました。この運営指導の目的は、プロジェクト活動のこれまでの進捗と成果を確認し、プロジェクトの残り期間の活動内容および今後の方向性について確認することです。

調査団は、保健省幹部との協議、プロジェクト対象サイトであるイルビッド県およびマフラック県保健局との協議、支援サイトの村落保健セクター(VHC)の視察、現地NGOへのヒアリングに加えて、ヨルダン保健セクターの主要な開発パートナーであるUSAID、WHO、UNHCR等との意見交換等を行いました。

その結果、本プロジェクトの活動は順調に進展していることが確認されました。また、目に見える成果として、重点対象VHC14か所の内、家族計画サービスを提供できるVHCが2016年12月の1か所から14か所全部に広がったこと、さらに母子保健サービスを提供するVHCはゼロから9か所に広がったことにより、地方部におけるリプロダクティブヘルスサービス提供拠点の拡大が挙げられます。さらに、利用者数も増大し、家族計画については全14VHCにおいて2016年12月の5名、研修直後の2017年1月の41名から、同年5月の115名と飛躍的に増加しています。また母子保健サービスについても2016年12月の0名から2017年1月の111名、さらに同年5月の342名と順調に増加しています。これらの利用者数の増加の主な原因として、今年4月より導入された地域におけるヘルスプロモーション活動によってVHCにおける新サービスが村人に浸透してきたこと、村人とVHCスタッフとの信頼関係が強化されたことなどが今回の調査で分かりました。

一方で、今後の活動実施の課題として、これから試行する移動式診療車(モバイルクリニック)の持続可能な運営体制の構築が挙げられました。遠隔地において一人でも多くの住民へサービスを届けられるよう、試行サイトの選定にかかる基準(裨益者、費用対効果等)の検討が提示されたほか、プロジェクト終了までの試行タイムラインの設定や運営マニュアルの作成をおこない、プロジェクト終了後にカウンターパートが継続してモバイルクリニックを運営していくための体制づくりについて議論がなされました。

これらの結果は、第3回合同調整委員会(8月9日開催)で共有されました。今後、プロジェクトは、VHCにおけるリプロダクティブヘルスサービスの質をさらに向上させるとともに、ヘルスプロモーション活動によって地域とVHCの絆を強め、VHCをより活用してもらうよう促していきます。また運営指導調査団の提言に沿って、モバイルクリニックの運用を軌道にのせ確実にハンドオーバーできるよう、カウンターパートとともに全力で活動を推進していきます。

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プロジェクトマネジャーとの協議

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第3回合同調整委員会

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イルビッドの村落保健センターにて

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NGOにてシリア難民の母子をインタビュー

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NGOにて協議