iDRIMS SEMINARを開催しました。

2017年5月26日

1.0 ケニアの路面性状評価へのDRIMSの導入

本プロジェクトのフェーズ1において路面の平坦性(IRI)を評価し道路維持管理に役立てるためにVIMS(Vehicle Intelligent Monitoring System、現在名称変更しDRIMS)の試験導入が行われました。その後、VIMSはさらに研究開発により改善を重ねDRIMS(Dynamic Response Intelligent Monitoring System)として製品化され、フェーズ2において引き続き活用の支援を行いました。この結果、KeNHA(Kenya National Highways Authorigy)において年間道路性状場調査(ARICS)への組み入れとISOにより標準ツールとして位置づけがされています。現在ではKeNHAが10台KWS(Kenya Wild Service)が3台をIRIの計測に役立てています。

一方、開発元である東京大学はさらにシンプルなスマートフォンを活用したシステムに改良を行い、国内外への展開を図っているところです。本システムはこれまでスタンドアロン型であった解析システムをクラウドベース型に改良した点が特徴であり、一元的にデータの解析を行うことで、データの集積とソフトの更新等の容易さが大きく改善されています。

本プロジェクトではDRIMSの活用をケニア国内外に広めることを活動の一つとしておりますが、本ツールを紹介することでより一層、道路維持管理におけるIRIの活用が進むことが期待されます。なお、本プロジェクトでは,我が国の先進技術の海外展開を視野に入れ、iDRIMSの研究開発・展開を実施しているSIP「戦略的イノベーション創造プログラムインフラ維持管理・更新マネジメント技術」(研究課題:インフラ予防保全のための大規模センサ情報統合に基づく路面・橋梁スクリーニング技術の研究開発と社会実装,研究機関:JIPテクノサイエンス株式会社,東京大学大学院工学系研究科,同生産技術研究所)とJICAの協働により行っています。
今回はiDRIMSの紹介と本格導入のための検証を目的とした実証を目的に主にKeNHAを対象にセミナーを開催しました。

2.0 セミナーの概要

日程 May 24-26, 2017(3 days)
会場 Kenya Agricultural and Livestock Research Organization(KALRO)
目的 iDRIMSの紹介と基本操作訓練
講師 長山智則 准教授 東京大学大学院工学系研究科
豊田正史 准教授 東京大学生産技術研究所
参加者 KeNHA; KWS, KeRRA and MTRD.
人数 約190人(3日の延べ人数)

3.0 DRIMSとiDRIMSとの主な違い

  DRIMS iDRIMS
1 MS Windows platform Apple iOS platform
2 Laptop, GPS, Drive Recorder, DAC iPod touch with external GPS or iPhone
3 ケーブル等センサーの接続が多い スマートフォン内部のセンサーを利用するためシンプル
4 データ処理はスタンドアロンタイプで実施 データはクラウドサーバーおよびシステムで解析
5 データを統合・共有するためには測定者から集積することが必要 データは自動的に統合・共有できる

【画像】

DRIMS

【画像】

iDRIMS

4.0 今後の予定

i)KeNHAとJICAチーム・SIPプロジェクト(東京大学)による実証プロジェクトの継続
ii)道路公社への研修の実施
iii)モニタリングと持続性の確認、必要な改善の実施とケニアにおける展開検討

【画像】

【画像】

【画像】