45.Monthlyハイライト

2021年3月2日

2021年2月

ラオスでは2021年1月13日から15日にかけて、5年に一度のラオス人民革命党第11回全国代表者大会が開催され、今後5年間の党指導部人事と国家建設方針が示されました。2月21日には国民議会選挙が実施され、今後新内閣が3月22日からの国民議会で誕生する予定です。

新体制に合わせ、第9次国家社会経済開発5か年計画(2021~2030年)が策定される見込みです。ここ数次の5か年計画では、経済発展、貧困削減における社会インフラとしての水道・衛生分野の必要性は十分に認識されているようで、特別な説明はなく普及率の目標値が示されている状況です。

水道分野のプロジェクトMaWaSU2から見ると少し寂しい感じもしますが、所管省庁である公共事業運輸省が策定している水道・公衆衛生戦略には、水道都市部普及率に加えて先行プロジェクトのMaWaSU(2012~2017)から取り組んでいる安心・安定・持続的な水道事業を目指す3S(Safe, Stable, Sustainable)が盛り込まれる見込みです。

2月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output2パイロットプロジェクト第1バッチ

2月5日にサラワン県から工事完成報告書が提出されました。工事は昨年10月には完了していたましたが、MaWaSU2で注力した各種竣工図の作成や工事写真アルバム、安全・品質管理チェックシートの整理など専門家の指摘・指導に基づいて丁寧な報告書が完成されました。この工事完了報告書をラオス水道セクターの標準にすることで工事実施、モニタリング、評価のレベル向上が見込まれるため、公共事業運輸省・水道局とも協議を進めていく予定です。

b.Output2パイロットプロジェクト第9回PPTT・第13回PPEC会合開催

2月11日に第9回PPTT(パイロットプロジェクトタスクチーム)・第13回PPEC(パイロットプロジェクト評価委員会)会合を開催しました。パイロットプロジェクト第1バッチの進捗状況共有に加えて、第1.5バッチの実施概要について説明しました。第1.5バッチとは「新型コロナ下・後の本邦技術活用」案件をパイロットプロジェクトとして実施し、各県水道公社の計画・プロポーザル作成能力の強化を目指すものです。2021年4月全国説明会・プロポーザル募集開始予定です。第2バッチは2022年4月開始の予定です。

c.Output4水道教室+手洗いキャンペーン

先行プロジェクトMaWaSUで2014年から実施されている水道教室。昨年からはJICA手洗いキャンペーンと連携をして「世界手洗いの日」(10月15日)や新型コロナ感染予防の啓発を行っています。更なる水道教室+手洗いキャンペーンを盛り上げるために促進グッズとしてうちわを作成しました。うちわを作成するのは、草の根技術協力事業(地域活性化特別枠)香川らしい国際協力プロジェクト「ラオスうちわ産業振興支援プログラム(フェーズ2)」で技術や運営管理を磨いた森林センターの職員や地域住民です。プロジェクトが終了した後でも移転した技術が継続されている好例であり、MaWaSU2も引き続き連携していきたいと思います。

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d.パイロット3都県水道公社でのOJT

野澤敦司専門家(水道技術/サブチーフアドバイザー)が精力的にパイロット3都県水道公社(ルアンパバーン県水道公社(北部)、首都ビエンチャン水道公社(中部)、カムアン県水道公社(南部))を巡回しています。技術基準(Output3)の最終確認や水道公社長期計画のブラッシュアップ(Output4)、固定資産の管理などを中心に実施しました。また、上記水道教室+手洗いキャンペーンで配布予定のうちわのデザインも水道公社職員自らがデザインしたいといった前向きな意見もあり、士気向上につながることを期待しています。Output4の財政分野では、新型コロナウイルスの影響で短期専門家派遣が中断されて活動進捗が滞る状況を鑑み、横浜市水道局からの前向きな提案によりオンライン通信を活用してOJT活動を進める試みを行っています。

e.DWS(公共事業運輸省・水道局)との月例会議

MaWaSU2活動の全体的な共有とDWSの行政能力強化を目的に月例会議を開催することとし、先月に準備会合を開催しました。しかしながら、2月には早くも頓挫。DWSの週計画(月間計画はなく、毎週月曜日にその週の予定が確定)に含め予定を確定するよう再三依頼していますが、突発事案が優先されて2月は月例会議の実現ができず、MaWaSU2として意思決定が必要なものはKhanthone副局長(MaWaSU2プロジェクトマネージャー)に個別に確認する状況です。
業務を計画的に進めるためにも月例会議の必要性を伝えていますが(管理職もそれを理解していると思いますが)、実現には引き続き地道な取り組みが必要なようです。DWSをみていると局内異動はあるものの、局外異動はほとんどなくアットホームな雰囲気があります。「詳しくは知らないけれど聞いている」業務は多くあり、非公式な情報共有はされている様子です。しかしそれでは業務が属人的になり、計画的な業務の遂行、効率的な組織に近づいていくことはできません。
MaWaSU2専門家チームとしては、引き続き月例会議の開催を奨励するとともに、追い風が吹けばすぐに対応できるよう常に準備万全にしておくつもりです。

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a-1 サラワン県給水拡張区域のパイロットプロジェクト案内板

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a-2 規定に従い工事状況を記録(工事写真アルバムより抜粋)

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b-1 第9回PPTT・第13回PPEC会合の様子

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c-1 水道教室+手洗いキャンペーン促進うちわ

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c-2 ビエンチャン県の森林センターでうちわを作成する職員と地域住民

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d-1 横浜市水道局とのオンラインOJTに向けた通信テスト

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d-2 首都ビエンチャン水道公社とのOJTには行政(DWS)職員も参加(水質分野)

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e-1 Khanthone副局長(右)を訪問し活動方針の意見交換