47.Monthlyハイライト

2021年5月19日

2021年4月

ラオスでは昨年4月以降、新型コロナウイルスの市中感染が報告されていませんでしたが、今年4月11日のタイ不法入国者関連の市中感染を皮切りに感染者が急増しています(4月11日時点では累計51名が4月30日時点で累計757名)。4月11日の市中感染とは別の市中感染(こちらもタイ不法入国関連)が報告されており、4月22日から5月5日まで首都ビエンチャンでのロックダウン、その後全国にロックダウンが波及し、感染報告も全18都県のうち15都県に及んでいます。

ロックダウン(不要不急の外出禁止、県外移動禁止など)は、プロジェクト活動にも大きな影響を及ぼしており、市中感染の収束、ロックダウンの終了を待って活動スケジュールを再度立て直す必要があります。

4月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output4:水質検査機器(DR1900)説明会を開催

前号でお知らせした、水質管理フレームワークを実現するための水質測定機器供与のうち、HACH DR1900が到着したため、分科会SC5(水質)のメンバーを対象に説明会を開催しました。今後7月の水質管理全国セミナーおよび8月のMini-Workshopに向けて水質検査マニュアルの作成を進めていきます。

b.Output2:パイロットプロジェクト1.5バッチ実施説明会開催

世界中で社会的および経済的な影響を与えているCOVID-19。JICAは日本の有効な技術や製品を用いてCOVID-19対策に資する支援の実施を決め、ラオス水道分野において実績のある株式会社トーケミの自動薬注装置を導入します。導入先水道公社をパイロットプロジェクトの選定過程を通じて決定するにあたり、4月7日に全国DPWTおよび水道公社を対象に実施説明会を開催しました(第2バッチの前に本支援を実施することから1.5バッチと名付けました)。
Output2:パイロットプロジェクトでは、1)計画、2)審査、3)工事実施、4)モニタリング、5)評価の能力向上が目的ですが、今回は導入機材(自動薬注装置の設置のみで配管工事などはなし)および時間的な制約により、1)計画に重点を絞りました。公共投資計画管理改善プロジェクトとも連携し、投資計画省(MPI)が統括している公共投資プロポーザルフォーマットを活用し論理的・定量指標のあるプロポーザル作成を目指します。実施説明会では、公共投資プロポーザルの土台となっているPDM(Project Design Matrix)の考え方を伝えました。

c.Output4:各パイロット水道公社でのOJT活動

4月はラオス正月(ピーマイラオ)があることにより、パイロット水道公社でのOJT活動は首都ビエンチャン水道公社とルアンパバーン県水道公社の2都県で実施しました。各分野担当者に対し、対象水道公社の更なる能力向上への指導に加えて全国展開の準備もアドバイスします。今回は、5月のチーフアドバイザー交代に向けて園田チーフアドバイザーからプロジェクト前半の総括と後半の方針・課題が示されました。要旨は以下のとおりです。

プロジェクト後半の方針

A)公文書による関係組織の役割明確化
B)各種文書決裁後(完成後)成果の全国展開、持続的な活用
C)3パイロット水道公社中心から、全国水道公社の活動へシフト
D)ラオス水道協会(LWWA)の活用(MaWaSU2活動のLWWA活動への順次移行)

今後の課題(効果的なプロジェクト活動、効果的な能力強化のために望むこと)

1)分科会、STT、OJTの宿題を必ず次回会合までに終えること
2)分科会、STTのまとめは、簡潔かつ明確に
3)プロジェクト活動成果を関係者に共有、展開する

【画像】a-1 HACH DR1900説明会に参加した分科会SC5(水質)メンバー

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a-2 機材納入業者から説明を受ける分科会SC5(水質)のメンバー

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b-1 パイロットプロジェクト1.5バッチ実施説明会の様子

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b-2 Vientiane Times紙に掲載されたパイロットプロジェクト1.5バッチ実施説明会記事

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c-1 ルアンパバーン県水道公社でのOJTの様子

【画像】c-2 ルアンパバーン県水道公社から園田チーフアドバイザーに記念品進呈