50.Monthlyハイライト

2021年7月21日

2021年6月

ラオスでは約1年ぶりに新型コロナウイルスの市中感染が4月に報告されて以降、首都ビエンチャンをはじめ最大15都県まで感染が広がりましたが、6月に入り首都ビエンチャン以外の県での市中感染は収束した模様です。しかしながら、感染報告者数が一桁であるものの首都ビエンチャンでは引き続き市中感染が報告されておりロックダウン措置は7月4日まで延長されることとなりました。同時に、市中感染が報告されていない地域での移動制限が緩和されるなどプロジェクト活動再開にとって明るい兆しも見られます。

6月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.石川智一専門家始動

2021年5月27日に帰任された園田圭佑専門家の後を引き継ぎ、チーフアドバイザーとしてプロジェクト総括、Output1の活動を中心にMaWaSU2を主導されます。移動制限が緩和されたと同時に責任機関である公共事業運輸省・水道局との会合を持ち、今後の活動予定について協議を行いました。

b.Output2:パイロットプロジェクト1.5バッチプロポーザル評価・選定

5月28日に締め切られたパイロットプロジェクト1.5バッチのプロポーザルは14県からの提出が確定しました。しかしながら、提出資料を精査した結果14県中9県が浄水場稼働率50~100%、一日最大配水量が施設能力を超えないという応募条件を満たしていないことが判明しました。幸い、残り5県のうち3県がプロポーザル評価が高く、サラワン県、シェンクアン県、サワンナケート県が選定されました。今後、選定県水道公社および対象浄水場を訪問しパイロットプロジェクト実施に向けて体制が整えられていきます。

c.Output2:パイロットプロジェクト・ボリカムサイ県施工開始

6月8日に工事が着工されました。最初の工事は取水施設(井戸採掘)です。2本設置する井戸のうち6月中に1本の井戸に水があることが確認されました。今後、揚水試験、水質試験を経て1本目井戸の取水施設設置、2本目の試掘が行われます。また、貯水槽設置・配水管敷設を担当する業者も確定し、1)ボリカムサイ県水道公社、2)MaWaSU2専門家、3)取水(井戸採掘)/浄水タンク設置業者、4)貯水槽設置・配水管敷設業者、4者間の定期オンライン施工監理会議を週1回開催することとしました。ボリカムサイ県水道公社は施工計画書作成や工事安全・品質・出来形管理のためのチェックシート記入、工事写真・アルバム作成、資材管理表記帳などの施工管理能力向上に取り組んでいます。

d.Output4:水質管理全国セミナー開催準備

新型コロナウイルスによる影響で流動的ですが、水質管理全国セミナー開催日を7月28日、29日に仮設定しました。また、北部・中部・南部で開催するMini workshopは8月第2週から順次開催することとしました。水質管理全国セミナーでの発表内容、Mini workshopでの教授内容を最終確認するために臨時分科会SC5(水質)を7月13~15日に開催します。MaWaSU2開始当初から分科会SC5(水質)で積み上げてきた水質管理フレームワーク構想が水質測定機器供与と連動して動き出します。

e.第3回JCC会議開催準備

2019年11月に第2回JCC(Joint Coordinating Committee:合同調整委員会)会議が開催されて以降、新型コロナウイルスの影響で第3回会議が延期されていました。移動制限緩和を受けて、第3回JCC会議を7月27日に仮設定しました。第3回JCC会議では、第2回会議以降の活動報告、今後約1年間の活動計画の承認を得る予定です。また、プロジェクト前半を振り返り、後半活動に合わせたPDM(Project Design Matrix)の修正、プロジェクト期間の延長(2023年5月から12末まで7か月間延長)についても協議・承認を得る見込みです。

【画像】

a-1 DWSと今後の活動予定について協議する石川チーフアドバイザー(左)

【画像】b-1 パイロットプロジェクト1.5バッチ評価・選定表

【画像】c-1 ボリカムサイ県水道公社から提出された工事アルバムの一例(井戸掘削前)

【画像】e-1 第3回JCC会議が無事に開催できますように(写真は第2回JCC会議(2019年11月)時のもの)