51.Monthlyハイライト

2021年8月5日

2021年7月

2021年4月から継続されている新型コロナ対策措置は緩和されながらも7月中に2回延長されました。県外移動には新型コロナワクチン接種証明や承認済み会議参加者名簿の携帯が必要であったり、会議開催には検温、マスク着用などの感染対策が必要であったりしますが、プロジェクト活動を少しずつ再開できる段階となっています。

7月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:水道開発基金の検討

コンサルタント専門家によって水道開発基金のプロポーザル概要版が作成されました。基金設立には公共事業運輸省(MPWT)による運営面だけでなく、法関連整備、原資の確保など他省との折衝、合意形成が必要になります。まずはMPWT水道局がプロポーザルの内容を十分に理解することが第一歩になります。新しいMPWT大臣は水道開発基金に前向きの姿勢のようで、追い風を利用して基金設立の検討を進めていきます。

b.Output2:パイロットプロジェクト1.5バッチ実施準備

プロポーザルで選定されたサラワン県、シェンクアン県、サワンナケート県とパイロットプロジェクト1.5バッチ実施準備のための個別オンライン会議を7月14、15日に開催しました。各県で実施体制(人員配置)を準備してもらうと同時に、株式会社トーケミのラオス代理店が各県対象浄水場を訪問し自動薬注装置設置の設計を行うことなどを伝えました。また、プロポーザルの微修正を通じて、より論理性のあるプロポーザルの理解を深めてもらうことを提案し各県から前向きな回答を得ることができました。
7月28日には全国の水道公社に対してプロポーザルの総評および第2バッチプロポーザル作成に向けて留意する点を紹介しました。

c.Output2:パイロットプロジェクト・ボリカムサイ県現地確認・監督

新型コロナ対策措置が一部緩和されたことを受け、7月16日にボリカムサイ県を訪問し工事現場において現状確認・監督を行いました。新型コロナ対策委員会からの移動許可書の取得が前日という慌ただしい行程でしたが、現場を実際に確認できたことで理解が深まりました。施工業者の意向から土日も休まず工事が進み(ただし新月、半月、満月の日は仏教行事の日でお休みなのがラオスらしい)、現地監督員であるボリカムサイ県水道公社職員も日々工事現場に張り付いています。そのような忙しい中でも工事安全・品質・出来形管理のためのチェックシート記入、工事写真・アルバム作成、資材管理表記帳などの施工管理能力向上にしっかりと取り組んでいます。

d.Output4:水質管理全国セミナー開催

7月28日、29日に水質管理全国セミナーを開催しました。1日目(7月28日)はOutput2プロポーザル総評の後、水質管理全国セミナーを開催、2日目(7月29日)はラオス水道協会による水質分野の調査・検討会として開催しました。
水質管理全国セミナーでは水質管理フレームワークの概要の紹介、3パイロット水道公社水質担当(分科会SC5)が作成した供与機材HACH DR1900の水質14項目検査マニュアルの紹介、水質測定機器(1.多項目測定吸光光度計(HACH DR1900)2.濁度計、3.色度計、4.pH計、5.EC計、6.Na計)の譲渡式が行われました。ラオス水道協会・水質分野調査・検討会では、水道公社管理職者と水質担当実務者グループに分かれて水道協会の運営方針や水質管理フレームワークを実現するための意見交換が行われました。

e.第3回JCC会議開催

2019年11月に第2回JCC(Joint Coordinating Committee:合同調整委員会)会議が開催されて以降、新型コロナウイルスの影響で延期されていた第3回JCC会議がMPWT副大臣Ms. VilaykhamとJICAラオス事務所・長瀬所長の共同議長によって7月27日に開催されました。第2回会議以降の活動報告およびプロジェクト終了までの方向性が示されました。また、プロジェクト後半の活動に合わせたPDM(Project Design Matrix)の修正、プロジェクト期間の延長(2023年5月から12末まで7か月間延長)についても言及され、今後承認を得る見込みです。

f.4事業体調整会議開催

7月13日にMaWaSU2を支援している埼玉県企業局、さいたま市水道局、横浜市水道局、川崎市上下水道局とJICAおよびMaWaSU2専門家チームとの間で調整会議が開催されました。第6回目となる今回は、新型コロナウイルスの影響もあり各組織からオンラインでつなぐリモート会議で開催しました。2021年5月に帰任した園田・全チーフアドバイザーから4事業体が注力するOutput3、4を中心にプロジェクト前半の成果報告があり、石川チーフアドバイザー、野澤サブチーフアドバイザー/水道技術専門家からラオスの現状および今後の活動計画が報告されました。新型コロナウイルスによる入国後2週間隔離などの制約があり、短期専門家派遣の目途はまだつかない状況ですが、オンラインでOJTを試みることについても意見交換されました。第一歩として横浜市水道局による財政分野のオンラインOJTを準備していく予定です。

g.MaWaSU2チーム新型コロナウイルスワクチン接種完了

県外移動の条件となっている新型コロナウイルスワクチン規定回数接種が、専門家、プロジェクトスタッフ・ドライバーともに完了しました。ワクチン接種の有効期間などまだまだ未知数なことも多いですが、ラオス政府による感染予防措置に従って安全にプロジェクト活動を進めていくようにします。

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a-1 コンサルタント専門家による水道開発基金プロポーザル説明資料

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b-1 パイロットプロジェクト1.5バッチプロポーザルフィードバックの様子

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c-1 ボリカムサイ県水道公社現地監督員から説明を受ける野澤専門家(左)

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c-2 溶接用フェイスシールドの確認(手作り感がラオスらしい)

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d-1 水質測定機器譲渡式時の集合写真

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d-2 全国水質セミナーで紹介するマニュアル作成の様子(7月13~15日に3パイロット水道公社水質担当が集まり臨時SC5を開催)

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e-1 第3回JCC会議集合写真(日本からもオンラインで参加)

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f-1 4事業体調整会議の様子(ラオス側)

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g-1 新型コロナウイルスワクチン接種証明書(パスポートと同じくらい重要になりつつある)

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g-1 新型コロナウイルスワクチン接種証明書(パスポートと同じくらい重要になりつつある)