53.Monthlyハイライト

2021年11月4日

2021年9月

南部を中心に報告されていた新型コロナウイルスの市中感染が9月中旬には首都ビエンチャンでも複数報告されるようになり、緩和されていた対策措置が9月16日から厳格なロックダウンとなりました。プロジェクト関係者は在宅勤務となり、予定していた活動はすべて延期となりました。オンラインで実施できる活動のみ継続しています。

9月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:PDCDS(優先課題改善戦略)ワーキンググループ開催

PDCDSはPriority Domain Capacity Development Strategyの略でOIDS(Overall Institutional Development Strategy:包括的組織制度改革戦略)から抽出された優先課題として法制度整備と法制度体制に取り組みます。そのPDCDS第1回ワーキンググループ会合が9月8日に開催されました。これらはMaWaSU2が終了しても継続的な活動が必要であり、DWS(公共事業運輸省・水道局)職員の活動推進の能力向上を重要視して、継続的に活動ができるようにワーキンググループを中心に組織、人材をじっくりと整えていきたいと考えています。

b.Output1:水道開発基金プロポーザル説明会(延期)

9月28日に予定されていたコンサルタント専門家(西牧専門家(有限会社エクシディア社)/井上専門家(A.I. NETWORK))による水道開発基金プロポーザル説明会は新型コロナウイルス市中感染によるロックダウンにより延期となりました。今後ラオス側参加者もオンラインで参加することも想定して準備を進めていきます。

c.Output2:パイロットプロジェクト(延期)

ポンサリー県、ボリカムサイ県で実施されているパイロットプロジェクト第1バッチの施設整備、サラワン県、シェンクアン県、サワンナケート県で実施予定のパイロットプロジェクト1.5バッチ(自動薬注装置設置)の事前訪問ともに新型コロナウイルスによるロックダウンにより軒並み活動が延期となっています。その間、できることとして第1バッチ施設整備は竣工図、工事安全・品質・出来形管理のためのチェックシート、工事写真・アルバム作成、資材管理表記帳などの資料整理を、1.5バッチはプロポーザルのブラッシュアップをオンライン会議を活用して進めています。

d.Output3:技術基準オンライン確認作業

新型コロナウイルスによるロックダウン(在宅勤務)期間を活用して技術基準の精査をオンラインを活用して実施しています。精査を行っているのは指針にあたる部分でページ数にすると約300ページあります。半分ほどは作業が完了しており、残り半分を段落ごとに読み上げDWS職員が確認します。技術基準はラオス水道法第15条で言及されており、策定されると新規水道施設整備や改修などの礎となり影響力の大きな成果となります。

e.Output4:首都ビエンチャン水道公社(NPNL)とのOJT活動

NPNLとのOJT活動を9月6日の週に実施しました。対面によるOJTは新型コロナウイルスの影響により4月以来のことで、MaWaSU2終了までの活動目標を共有しました。12月に開催予定のMaWaSU2セミナーでちょうどプロジェクト期間残り2年となり、これからやるべきこととして、これまでの成果の全国展開活動とともにラオス水道協会の研修事業へのシフトを念頭にいれた各分野での教材づくりを行う予定です。NPNLの全体会議では水道協会活動の一環として実施した水質管理全国セミナーとMini-workshopのレビューを分科会5(水質管理)と分科会6(水道協会)のカウンターパートから発表され、ラオス水道協会の活動イメージが少しづつ浸透し始めた段階です。

f.Output4:水質管理フレームワークにかかる保健省との協議

分科会5(水質管理)の取り組みの一つである水質管理フレームワークについての協議を9月14日に保健省・衛生健康促進局(DHHP)と行いました。ラオス水道法17条で言及されている水質基準は保健省が省令を発出しており、MaWaSU2で草案した水質管理フレームワークにおける国(DWS/MPWT・DHHP/MOH)と県(DPWT・DOH)と水道公社との役割分担および省令上のルールと実際の状況について確認しました。

g.Output4:DWSとラオス水道協会の役割について協議

2021年1月に設立されたラオス水道協会はMaWaSU2活動と協同するなど少しずつ活動を始めています。一方、MPWT(公共事業運輸省)大臣は水道分野管轄省としてラオス水道協会の管理区分を明確にするようDWSへ指示しました。DWSの要望を受け、野澤専門家は日本の事例を参照しつつラオスの協会に関する各種政令に沿うようにDWSとラオス水道協会の役割案を整理しました。9月17日にDWSと協議を行い「これまで水道協会のような組織がなく、水道公社の能力にも制限があるためDWSが範疇外のガイドラインやマニュアル類を作成してきた。国が定める法令や基準について具体的な解説としてガイドライン、実際の業務に有益なマニュアルを水道協会が作成できるのであれば望ましい。」と前向きな回答がありました。今後、ラオス水道協会とも協議を行い意見交換・収集を進めていきます。

h.MaWaSU2・さいたま市草の根事業 第2回連携会議開催

8月に続き9月もMaWaSU2・さいたま市によるJICA草の根技術協力事業「水道公社における上水道管路維持管理能力向上支援事業」の連携会議を開催しました。今回は草の根事業の活動進捗を詳細に確認するとともに、MaWaSU2で全国展開するにあたりこれまで3パイロット水道公社の状況を反映し個別に作成されてきた各種マニュアルの統一化について意見交換が行われました。3パイロット水道公社ともに統一化に賛成し、今後統一化する基幹部分と各県水道公社の実情に合わせてアレンジする部分についてなど意思統一を目指していきます。

【画像】

d-1 技術基準オンライン確認作業の様子

【画像】

e-1 首都ビエンチャン水道公社でのOJTの様子

【画像】

e-2 首都ビエンチャン水道公社全体会議の様子

【画像】

f-1 保健省・衛生健康促進局との協議の様子

【画像】h-1 MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携会議の様子(ルアンパバーン県水道公社)

【画像】h-2 MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携会議の様子