54.Monthlyハイライト

2021年11月16日

2021年10月

9月中旬から厳格なロックダウンとなった新型コロナウイルスの対策措置は10月も継続され、プロジェクト関係者は在宅勤務が続いています。10月1日の感染者数(累計)24,310人は10月31日時点で40,271人(1日平均だと515人)となり、感染拡大が続いています。

10月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:水道セクター開発基金プロポーザル説明会

延期されていたコンサルタント専門家(西牧専門家(有限会社エクシディア社)/井上専門家(A.I. NETWORK))による水道セクター開発基金プロポーザル説明会が10月14日にオンラインで開催されました。事前に石川チーフアドバイザーから概要説明を行っていたため、公共事業運輸省・水道局(DWS/MPWT)の理解もスムーズで好意的な意見が述べられました。今後は、財務シミュレーション(資金源となる水道料金サーチャージの拠出やグラント・ローンの割合、プロジェクト案件等)を具体的に検討するとともに、基金設立に向けた課題を取りまとめ、水道セクター開発基金計画の策定を目指します。

b.Output2:パイロットプロジェクト・ボリカムサイ県完成検査実施

ボリカムサイ県で実施されているパイロットプロジェクト第1バッチ(水道施設整備)の完成検査が10月22日に行われました。移動制限があるため新型コロナウイルス対策委員会から許可を取り、日帰り出張という強行軍での完成検査です。ボリカムサイ県公共事業運輸局、ボリカムサイ県水道公社、施工業者、MaWaSU2専門家チーム立ち合いのもと、浄水施設の試運転や管末での水圧検査、水質検査を行いました。設定した検査項目をすべてパスしており、今後は竣工図を含む工事完成報告書を作成します。

ポンサリー県も工事が完了しました。残念ながら建設途中の新浄水場完成見込みは遠く、既存浄水場への仮設管設置が最後の工程となりました。竣工図を含む工事完成報告書を作成してパイロットプロジェクトが完了となります。

c.Output3:技術基準オンライン確認作業

新型コロナウイルスによるロックダウン(在宅勤務)期間を活用して行った技術基準の精査は作業を終えてDWS/MPWT内で大臣承認手続きに入っています。編集ルールを事前に決めていなかったこともあり進捗に若干の後退もありましたが、作成に参加したメンバーにとっては今後につながる経験になったと思います。前号にも記しましたが、技術基準はラオス水道法で言及されており、策定されると新規水道施設整備や改修などの礎となり影響力の大きな成果となります。

d.Output4:ラオス水道協会の役割について協議

2021年1月に設立され活動が開始しているラオス水道協会について、公共事業運輸省大臣から水道分野管轄省として、ラオス水道協会の管理区分を明確にするよう指示が出ています。日本の事例を参照しつつラオスの協会に関する各種政令に沿うようにDWSとラオス水道協会の役割案を整理した野澤専門家は9月のDWSへの説明に続き、10月6日にラオス水道協会事務局メンバーに説明を行いました。今後、DWS、ラオス水道協会の間で合意を目指します。ラオス水道セクター史上初めての水道協会設立。各組織によって細かい点で思惑が異なるかもしれませんが、MaWaSU2専門家も適宜間に入って合意形成を得られるよう支援していきます。

e.MaWaSU2・さいたま市草の根事業 第3回連携会議開催

10月29日にMaWaSU2・さいたま市によるJICA草の根技術協力事業「水道公社における上水道管路維持管理能力向上支援事業」の第3回連携会議を開催しました。MaWaSU2による全国展開として、草の根事業の活動でこれまで3パイロット水道公社の状況を反映し個別に作成されてきた管路布設、給水装置、資材管理の各マニュアルを「○○マニュアル作成ガイドライン」という形で全国水道公社が参考にできる形にするという意見がまとまり、3パイロット水道公社が分担して作成作業に取りかかります。一堂に会して意見交換をすることが望ましいですが、新型コロナウイルスにより集まることができない状況でオンラインを活用してできる限りの進捗を目指します。

参考URL:

【画像】

a-1 水道セクター開発基金プロポーザル(オンライン)説明会の様子

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b-1 浄水装置完成検査の様子

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b-2 管末での水圧検査を見守る専門家(右2人)

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e-1 MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携会議に参加するカムアン県水道公社メンバー

【画像】e-2 MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携会議の様子(オンライン画面)