55.Monthlyハイライト

2021年12月6日

2021年11月

9月中旬から首都ビエンチャンで顕著になった新型コロナウイルス市中感染は拡大を続けており、10月には全県へ拡大しています。11月1日の感染者数(累計)40,956人は11月30日時点で73,738人となり、この1か月で32,782人増加しました。このように新型コロナウイルス感染拡大は続いていますが、社会経済活動を継続させるため県外移動や会議開催の人数制限は50人未満と対策措置が緩和されました。しかしながら、感染拡大に鑑み、JICAラオス事務所からプロジェクト専門家は在宅勤務の指示が続いています。

11月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Project MaWaSU2 Annual Report 2021開催準備

毎年12月に開催されるプロジェクト年次報告会の準備を開始しました。厚生労働省による「水道インフラシステム輸出拡大に係る調査・検討」とも連携し、Japan Cooperation Sessionも並行開催します。また、年初に設立されたラオス水道協会の年次会議もプログラムに含めます。それぞれの関係者との調整は多くあり、また今回初めて全国会議をオンライン形式で実施しますが、新型コロナウイルスの影響で全国会議の開催が難しい中、貴重な機会となるためラオス水道セクター、日本の関係者にとって有意義な会議となるよう当日まで引き続き準備を進めます。

b.フアパン県水道公社とのオンライン会議

ラオス北部、ベトナムと国境を接するフアパン県Et(エット)郡給水区域では、毎年河川水量の変動等により、乾季は土砂が堆積し取水塔と反対側に水が流れ、取水が難しい状況が続いています。これらの問題を解決するために、フアパン県水道公社は在ラオス日本大使館による草の根・人間の安全保障無償資金協力に申請しようとしており、専門家チームへ相談が来ました。フアパン県水道公社も十分な情報がないため河川水量変動の原因はわからないものの、毎年取水が困難になる状況は把握できました。フアパン県水道公社の解決方法は、堆積している土砂を大規模に取り除くことで川の流れを以前のように取水塔側へ導くとともに、取水塔の改良と故障ポンプの取り換えで取水量を確保し浄水場を十分に機能させるというものです。専門家チームも土砂の堆積や川の流れについて十分な知見がなく、フアパン県水道公社へ満足な回答ができていない状況で、もしご意見ある方がいれば、以下まで連絡いただけると大変助かります。

連絡先:木下雄介(業務調整)Email:mawasu123@gmail.com

c.Output3およびOutput4:オンラインOJT

12月に開催するProject MaWaSU2 Annual Report 2021の報告準備も兼ねてオンラインOJTを開催しました。オンラインOJTでは、今年の活動を振り返り、残り2年間の目標を共有しました。自ら目標や活動スケジュールについて意見交換している分科会もあり、非常に頼もしく感じました。通常の対面式OJTでは専門家が各県へ赴き、カウンターパートの様子や現場を確認しながらOJTができる利点がありますが、オンラインOJTでは公共事業運輸省・水道局、3パイロット水道公社の担当者が一堂に会することで情報共有がその場でできるメリットもあるということを発見しました。

d.MaWaSU2・さいたま市草の根事業 第4回連携会議開催

11月19日にMaWaSU2・さいたま市によるJICA草の根技術協力事業「水道公社における上水道管路維持管理能力向上支援事業」の第4回連携会議を開催しました。月例となった草の根事業の進捗報告に加え、今回は12月のProject MaWaSU2 Annual Report 2021で草の根事業の紹介とMaWaSU2との連携についての報告準備を行いました。連携会議の主題である管路布設、給水装置、資材管理の各マニュアルを「作成ガイドライン」という形で取りまとめる作業は、管路布設マニュアルから取り組むこととなりました。毎月1時間30分という時間では協議するには短いため、カウンターパートの発案でZoomオンライン会議を毎週火曜日午後に設定し、3パイロット水道公社担当者間で作業を進めることになり、大変頼もしく感じています。

参考URL:

e.留学プログラム「水道分野中核人材育成プログラム」

東京大学大学院工学研究科に所属し滝沢智教授、風間しのぶ特任講師のもとで修士を目指す「水道分野中核人材育成プログラム」にルアンパバーン県水道公社のMr. Sunti(サンティ)が11月26日日本へ向けて出発しました。9月から始まっているプログラムなのですが、新型コロナウイルスの影響で出発が遅れていました。出発前には、石川チーフアドバイザーがSuntiを訪れ激励しました。日本で知見を広げラオスに戻って来ることを期待します。日本のMaWaSUチームの皆さま、Suntiへのサポートをお願いします。

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a-1 Project MaWaSU2 Annual Report 2021バナー(イメージ)

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b-1 フアパン県Et郡・取水塔周辺に土砂が堆積する乾季の様子(フアパン県水道公社提供)

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b-2 フアパン県Et郡・乾季に浚渫する様子(フアパン県水道公社提供)

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c-1 オンラインOJTの様子

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e-1 「水道分野中核人材育成プログラム」へ出発する前に激励する石川チーフアドバイザー(左)とMr. Sunti