56．Monthlyハイライト

ラオスでの新型コロナウイルス市中感染は引き続き拡大を続けており、12月1日の感染者数（累計）75,163人は12月31日時点で111,060人となりました。新型コロナウイルス感染拡大は続いていますが、社会経済活動を継続させるため県外移動や会議開催の人数制限は50人未満の対策措置緩和は継続されています。また、2022年1月からは制限付きで観光客の受け入れも再開することが発表されました。プロジェクト専門家は、JICAラオス事務所からの在宅勤務指示が続いており、基本的にオンラインで活動を続けています。

12月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a．Project MaWaSU2 Annual Report 2021開催延期

12月14、15日に開催を予定していたProject MaWaSU2 Annual Report 2021は複数の関係者が新型コロナウイルスに感染したため延期となりました。2022年1月12、13日に開催できるよう関係者と調整を進めています。

b．Output1：水道セクター開発基金・シミュレーションツール共有準備

10月に実施した水道セクター開発基金プロポーザル説明会で質疑応答の中心となった「グラントかローンか」、「グラントとローンの混合か」、「その際の比率は」などを含め、現実的に基金が運用できる原資、運営経費、プロジェクト規模と数などをDWS/MPWT（公共事業運輸省・水道局）が検討するために簡易シミュレーションツールをコンサルタント専門家（西牧専門家（有限会社エクシディア社）／井上専門家（A.I. NETWORK））に作成依頼をしていました。12月中にコンサルタント専門家から長期専門家へツールの共有および使い方の説明を受けました。1月にDWSへのツール共有および説明会を開催する予定です。

c．Output2：パイロットプロジェクト第1バッチ・ポンサリー県完了

一部の舗装工事を残して10月末には主要工事を終えていたポンサリー県のパイロットプロジェクト（老朽管布設替え）は、すべての工事を終了し、ポンサリー県公共事業運輸局およびポンサリー県水道公社から工事完了報告書が12月23日にPPEC（パイロットプロジェクト評価委員会）へ提出されました。今後はポンサリー県水道公社が独自に給水装置の付け替え作業を行い、パイロットプロジェクトの裨益効果である無収水率削減や水圧の安定した給水が期待されます。

d．新型コロナウイルス対策特別枠・カムアン県調達資機材検品

MaWaSU2で実施することになったカムアン県とサイソンブン県での新型コロナウイルス対策事業（注）。このうちカムアン県実施分の資機材調達が半数を超えたため、JICAラオス事務所による現地での納品・保管状況確認に同行しました。2015年のタケク新浄水場竣工以降、本事業（管路延長）はカムアン県としても重要案件の一つであり、県副知事による挨拶や県公共事業運輸局長による検品先導など対応は格別でした。3月末までにすべての資機材の調達が終了し、4月上旬に正式な譲渡式が開催される予定です。

• （注）詳細は「48．Monthlyハイライト」e．新型コロナウイルス対策特別枠事業　参照

e．首都ビエンチャン水道公社MaWaSU2活動報告年次総会

首都ビエンチャン水道公社のMaWaSU2メンバーによる活動報告会が12月27日に開催されました。9つの活動分野担当から報告があり、MaWaSU2メンバー合計25名が2022年に向けてよりよい活動を行うため意見交換を行いました。報告会に参加した野澤サブチーフアドバイザー／水道技術専門家からは、プロジェクト終了までの2年間で水道公社の活動を水道協会の研修事業を通じた全国展開に注力する方針表明があり、MaWaSU2メンバーが研修講師を務めることができるよう今まで以上に積極的に活動に取り組むよう激励の言葉がありました。

f．ラオス水道協会年次総会

ラオス水道協会の年次総会が12月28日に開催されました。2021年1月に正式に発足したラオス水道協会にとって初めての年次総会になります。新型コロナウイルスの影響で正会員である各県水道公社が対面で一堂に会することはできませんでしたが、オンラインツールを用いて全国の水道公社および賛助会員である民間企業が参加しました。

g．水道公衆衛生事業規制委員会

久しく開催されていなかった水道公衆衛生事業規制委員会（以前は水道規制委員会）が12月30日に開催されました。水道料金ポリシーや水道料金構成設定ガイドラインが紹介され、長年停滞していた水道料金改定の再開が望まれます。また、MaWaSU前フェーズから引き継ぎブラッシュアップした水道事業計画作成マニュアルや水道事業年報作成マニュアルの紹介もあり、今後手続きを経て公式な文書になる予定です。