58．Monthlyハイライト

ラオスでの新型コロナウイルス市中感染は継続していますが、引き続きオンラインツールを活用したり、感染対策を施して会議開催や地方出張などを実施しプロジェクト活動を進めるようにしています。
2月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a．Output1：水道セクター開発基金

コンサルタント専門家（西牧専門家（有限会社エクシディア社）／井上専門家（A.I. NETWORK））による水道セクター開発基金プロポーザル調査・ドラフトの提出を受け、長期専門家がDWS/MPWT（公共事業運輸省・水道局）と協議を進めます。第1回目の協議は水道セクター開発基金計画作成に向けた委員会体制（委員会と小委員会）とメンバーの確定、それぞれの役割、今後の進め方について話し合われました。石川チーフアドバイザーからは「DWSが主体的になり進めていくことが肝要」と意識改革を促すコメントがありました。次回からは基金設立に向けた課題の列挙、整理と今後の取り組みについて協議をする予定です。

b．Output2：パイロットプロジェクト第1バッチ事後評価：サラワン県

パイロットプロジェクト第1バッチ・サラワン県は新型コロナウイルスの影響を最小限に抑え、2021年2月にはすべての工事を終えて工事完成報告書を提出していました。実施要項に従い、工事完成報告書提出1年後に事後評価を行いました。評価項目はパイロットプロジェクトの目的である「水道施設整備事業における資金の有効活用」と「水道施設整備事業における技術的信頼性の確保」です。サラワン県水道公社から各種データとともに状況説明を受け、現地を訪問しました。技術面では工事完成後、補修工事や漏水などの報告はなく信頼性は確保されていることを確認しました。水道利用者も漸次増加しており投入された資金は有効活用されていると言えますが、現地を訪問すると水道布設以前に利用していた安価な村落給水も併用している家庭が多く、期待される水道料金収入には至っていないようでした。MaWaSU2からは水道の長所を伝える営業型の水道教室を実施して水道利用を促進するようコメントしました。

c．Output2：パイロットプロジェクト1.5バッチ

先月のシェンクアン県に引き続き、自動薬注装置の設置、自動薬注装置運転研修の視察、郡レベル水質管理体制構築に向けたアドバイスのためにサラワン県・ラコンペン郡とサワンナケート県・セポン郡デンサワン給水区域を訪問しました。両県とも自動薬注装置の設置および運転研修は予定通り行われましたが、管末の水質管理は改善が必要です。採水ポイントは決めているようですが、実際に残留塩素や水圧測定を行っていない様子でした。MaWaSU2から携帯式の残留塩素測定器を供与し、最優先採水ポイントを2～3か所に絞り定期的に残留塩素を測定するようアドバイスしました。水圧測定用の備品は水道公社自身で準備し残留塩素測定とともに水圧も測定・記録するよう伝えました。パイロットプロジェクト1.5バッチの活動内容は3県とも同じ内容なので、合同報告会などを開催して情報共有・切磋琢磨できるよう環境を整えていく予定です。

d．Output4：全国展開Mini workshop（水質管理）開催

8月に北部（7県参加）、中部（5都県参加）で開催した後、新型コロナウイルスの影響で延期されていた南部（6県参加）でようやく開催することができました。水質担当実務者グループはMaWaSU2で供与した多項目測定吸光光度計（HACH DR1900）を中心に合計19項目の水質測定方法を講習しました。専門家チームは当初、講師を担当したカムアン県水道公社の水質担当者2名がうまく教えられるか不安でしたが、当日はその不安を払拭する活躍をし、改めて「教えることは学ぶこと」を実感しました。水道公社管理職者グループは水質分野の人材確保や水質測定機器の試薬の共同購入などについて意見交換を行いました。北部、中部、南部のMini workshopはラオス水道協会の研修・調査事業と位置付け、MaWaSU2の活動をラオス水道協会に引き継いでいく予定です。