59.Monthlyハイライト

2022年4月12日

2022年3月

3月に入りラオスでも新型コロナウイルス・オミクロン株の市中感染報告があり、感染者が急増しています。4月のピーマイラオ(ラオス新年)に向けてロックダウンや移動制限などの措置が取られるか予断は禁物ですが、引き続きオンラインツールを活用したり、感染対策を施して会議開催や地方出張などを実施しプロジェクト活動を進めるようにしています。

3月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:水道・衛生戦略北部地域展開会議

DWS/MPWT(公共事業運輸省・水道局)が最優先課題として取り組み、先行案件(MaWaSU)から引き継ぎMaWaSU2も支援していた水道・衛生戦略の大臣決裁が下りました。早速3月22日に北部地域対象にルアンパバーン県で展開会議が開催されました。開会の挨拶でMPWTビエンサワット大臣は「都市計画において、どのように街を住みやすいようにするのか。住民の生活を支えるのは水道と公衆衛生」と水道・衛生戦略の意義の説明がありました。MaWaSU2からは石川チーフアドバイザーが参加し、今後の活動となる県水道戦略策定の取り組みについて「各県の特色・特徴を反映した戦略とすること、策定を通じて国・県・水道公社など関係者の議論・互いの理解というプロセスが大切」と紹介がありました。

b.Output2:パイロットプロジェクト1.5バッチ 3県合同報告会

3月までに実施対象3県(シェンクアン県、サラワン県、サワンナケート県)での自動薬注装置の設置、自動薬注装置運転研修は無事に終了しており、パイロットプロジェクト1.5バッチとしての次の活動は、対象給水区域での水質管理体制構築と水道教室・手洗いキャンペーンの実施があります。各県別に活動するものの、3県で互いに報告し合った方がより刺激があり情報共有・切磋琢磨できるとの考えから、3県合同報告会を3月4日にオンラインで開催しました。パイロットプロジェクト1.5バッチ終了の6月30日まで月1回を目標にオンライン、現地視察を組み合わせて開催していきたいと思います。

c.Output4:第2回水質管理全国セミナー開催

3月10、11日に第2回水質管理全国セミナーを開催しました(第1回セミナーは51.Monthlyハイライト(2021年7月)参照)。第2回セミナーでは各県から浄水場の水質ラボの概要や担当者の配置、水質測定機材の所有状況、水質管理の課題などが報告されました。MaWaSU2からは全国水道公社に対して大腸菌、ヒ素の検査機器が供与され、前回供与分と合わせると水質測定23項目のうち21項目の測定が可能になります(残り2項目のうち1項目は水銀でパイロットプロジェクト3水道公社に機材を供与する予定です。もう1項目は味なので測定機器は必要ありません)。供与した機材を有効活用して目標とする3S(Safe, Stable, Sustainable)のうち、安全(Safe)な水の確立を支援していきます。

d.鳥取県立鳥取西高等学校との海外オンライン研修

2019年JICA中国主催の教師海外研修に参加された鳥取県立鳥取西高等学校の中村秀司先生からご提案をいただき、MaWaSU2の取り組みを含め「ラオスにおける安全な水へのアクセス」をテーマにしたオンライン研修を行いました。都市部と農村部における安全な水へのアクセスや水に関わる農業や食文化などについてMaWaSU2で各県を巡回した経験や事例を鳥取西高等学校の学生約20名に対して紹介しました。オンラインでは十分に伝えれたかどうか不安もあります。百聞は一見に如かず。渡航制限が緩和された暁にはぜひ実際にラオスを訪問してオンライン研修で紹介した内容を実感してもらいたいと思います。

【画像】

a-1 水道・衛生戦略北部展開会議集合写真

【画像】

a-2 県水道・衛生戦略策定活動について説明する石川専門家(左)

【画像】

b-1 自動薬注装置設置の様子が英字紙Vientiane Timesに掲載されました

【画像】

b-2 自動薬注装置設置の様子がラオス語現地新聞Vientiane Maiに掲載されました

【画像】

c-1 第2回水質管理全国セミナーの様子

【画像】

c-2 水質測定機器使用方法研修の様子

【画像】

d-1 鳥取県立鳥取西高等学校との海外オンライン研修で講師を務める野澤専門家