61.Monthlyハイライト

2022年6月7日

2022年5月

ラオス政府は5月9日より入出国の制限を大幅に緩和し、コロナ禍以前と概ね同じ入国条件に戻すことにしました。市中感染報告も漸減しており、引き続き感染対策は必要ではあるものの、対面でのOJTや会議、地方出張も増えるなど活動に勢いが戻りつつあります。

5月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:公共事業運輸省・水道局(DWS)との主な活動

・包括的制度改善戦略(OIDS)・優先課題改善戦略(PDCDS):法令等整備の現状把握、PDCDS最優先課題取り組み構成案に関する意見交換
・水道セクター開発基金(WSSDF):コンサルタント専門家による水道セクター開発基金プロポーザル調査・ドラフトを活用したDWS担当職員の理解促進
・水道戦略(WSS)・都県水道戦略(PWSS):WSS北部説明会実施済み、中・南部説明会9月開催予定、PWSS支援案DWSへ共有、県公共事業運輸局(DPWT)へアンケート調査準備
・水道セクター年報:2020年度版最終化支援、2021年度版作成支援

b.Output2担当 越智龍太専門家赴任

MaWaSU2終了までOutput2を担当する専門家をさいたま市水道局と川崎市水道局から交代で派遣することになりました。一番目の専門家としてMaWaSU(先行案件)で短期専門家として活躍された越智龍太専門家が5月1日に赴任しました。今後のOutput2全体計画の立案、後述のパイロットプロジェクト第2バッチ・プロポーザル作成説明会での講義、ポンサリー県出張への同行を通じた現場確認等を行いました。

c.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ・プロポーザル作成説明会

5月18日に全国の県公共事業運輸局(DPWT)と水道公社を対象にパイロットプロジェクト第2バッチ・プロポーザル作成説明会をオンラインで開催しました。4月8日に実施要項説明会を開催した際は(前号参照)、実施主体である公共事業運輸省・水道局(DWS)からプロポーザルをどのように作成すべきか十分に説明できていなかったため、今回はDPWT、水道公社に加えてDWSの能力向上も兼ねて専門家チームから1)PDMの構造およびPDMからラオス政府による公共投資フォーマット(パイロットプロジェクト第2バッチで同フォーマットを採用)への転記方法、2)主要データを用いた論理的かつ説得力のある提案の記述方法、3)応募条件としている拡張後の一日最大配水量と浄水場施設能力の計算方法や水圧が技術基準を満たすことができるかどうかの確認方法、測定すべき水質管理ポイントなどを詳細に説明しました。6月15日にプロポーザル提出を締め切り、評価・選定プロセスに入ります。

d.Output2:パイロットプロジェクト第1バッチ・ポンサリー県 完了時訪問

ポンサリー県はパイロットプロジェクト第1バッチの工事完了報告書を昨年末に提出していましたが、新型コロナウイルスの影響により完了時の現地訪問が延期されていました。ようやく5月22日から27日の行程でポンサリー県ポンサリー郡およびクア郡を訪問し、ポンサリー郡では県行政関連機関も会議に出席の上、完了報告書に署名しました。ポンサリー県水道公社が老朽管布設替えを希望するクア郡では、日本大使館による「草の根・人間の安全保障無償資金協力」への申請について意見交換を行いました。また、機材供与していた電子式テストメーターおよび自記録水圧測定器の使用方法の説明・実践を行いました。

ポンサリー郡滞在時、悪天候による土砂崩れや送電線倒壊により、日中12時間以上停電になりました。電力に頼る取水も停止し、終日断水が発生するなど、地方インフラの脆弱性を実感するとともに、生活における水の重要性を改めて認識する機会となりました。

e.Output4:水道公社との主な分科会活動

分科会1データ管理:6月7日にオンラインによる全国説明会の開催に向けた発表内容の準備、データ管理マニュアルのアップデート作業
分科会2カスタマーサービス:カムアン県水道公社が水道未普及地域で水道教室を実施
分科会3計画・分科会4財政:2025年までの財政収支計画の作成作業
分科会5水質:水銀検査機器の準備
分科会6水道協会:さいたま市草の根事業連携報告会の事務局運営

f.MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携報告会

2021年8月から取り組んでいるMaWaSU2・さいたま市草の根事業連携活動の報告会を5月20日に開催しました。新型コロナウイルスの制限も緩和されたことから、久しぶりに3パイロット水道公社総裁クラスと実務者が首都ビエンチャンに集まりました。さいたま市水道局からは波田野哲雄局長をはじめ多くの職員がオンラインで参加しました。報告を受けた3パイロット水道公社総裁・副総裁は、連携活動を高く評価し、講師の育成などMaWaSU2支援による準備を施した上で、ラオス水道協会を通じた全国展開について前向きな発言がありました。

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b-1 電子式テストメーターの使用方法を説明する越智専門家(右から2人目)

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d-1 給水装置の接続状況をヒアリングする野澤専門家(右)

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d-2 自記録水圧測定器の使用方法を説明する野澤専門家(中央)

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e-1 水道未普及地域での水道教室開催(カムアン県・集合写真)

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e-2 水道未普及地域での水道教室開催(カムアン県・浄水過程の説明)

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e-3 水道未普及地域での水道教室開催(チャンパサック県・集合写真)

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e-3 水道未普及地域での水道教室開催(チャンパサック県・実施中の様子)

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f-1 MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携活動報告会(集合写真)

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f-2 MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携活動報告会(担当者報告1)

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f-3 MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携活動報告会(担当者報告2)